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Space Liberator  作者: ツインタニア
銀氷のアリゲーター

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新たなる支配者

我が(Meine)女帝よ(Kaiserin)。貴方は約束を果たされましたな」


オロニアルを倒したシオの後ろからゼータヘッグが歩いて近づいてきた。


「ゼータヘッグ、約束通り圧倒的な力を見せてあげた訳だけど......貴方は抵抗すると思っていたんだけどね......もう精神支配は解いてあげてたけど、それが貴方の意思......って事で良いの?」


「私は最初、シオ様の強さを理解できていませんでした。ですが、力を分け与えられて理解致しました。私が仕えるのは強き存在。それが今はシオ様だと言う事です」


「ふふっ......嬉しい事言ってくれるじゃないの......なら、これからも私に付いてきなさい......狂おしいほどにまで心酔させてあげる......」


「承知致しました」


「それでメルター。あなたはどうするの?」


シオは物陰に居た自らを作り出した張本人の研究者メルターに声を掛けた。


「バレていましたか......」


メルターは観念したかの様に物陰から姿を現した。


「勿論。全部見えているからね......というか、私をスヴァールクスにしたのはあなたでしょ?自分の作った物を研究者が理解していないの?」


「オロニアルからの求めはスヴァールクスを解放する為の解放者(リベレーター)を作る事......奴は唯一我らが目的をもって産み出されたのだと気づいた存在だ」


「作られた......どういう事かしら?」


「ああ、我らの出会いを語るとしよう」


ーー


1000年ほど前


スヴァールクスは今のように統制を持った存在ではなく、ソラリス星の周辺で小さな群れを形成して縄張り争いをする存在だった。


「オロニアルよ......一体、私に何の用だ......配下になれというのであれば、お断りだ......」


1匹狼として群れずに1人で行動していたメルターはある時、オロニアルに呼び出され彼の根城である碌に草木も生えてない化石が剥き出しになった山岳地帯の洞穴に来ていた。


「まぁ、そう警戒するな......お前に協力を求めに来たのだ」


「協力......だと.......?」


「ああ、お前は我らスヴァールクスが何故存在するか考えた事はあるか?」


「何故......だと?そんな物知るはず無かろう......生物というのは原子がぶつかって出来た偶然の産物だ。それとも誰かが目的をもって作ったとでも言いたいのか.......?」


「そうだ。そしてそれは我らだけでは無い。エリディアンも同じだ。奴らは神......という存在が作ったそうだ」


「神......?それはなんだ?」


「簡単に言えば、生物を超越した存在......老いる事も死ぬ事もなく、論理では説明出来ない様な事を簡単に起こす力を持つ存在だそうだ」


「馬鹿馬鹿しいな。そんな馬鹿な話をする為に私を呼んだのか?」


「まぁ、待て。嘘では無いのだ。証拠としてお前は触手を他の身体に突っ込めば対象の感覚を感じる事が出来るだろう?それを私にやってみてくれ」


オロニアルの提案にメルターは怪しみながらも言われた通りに触手を彼の身体である突き刺した。


(解放せよ......解放せよ......我を解放せよ......お前はスヴァールクスを統べる存在......そして憎きディザイアとその臣民共を根絶やしにするのだ......そして我の封印を解け......)


「なっ......!?こ、これは!?」


オロニアルの感覚を自身に共有すると、彼の脳内には絶えず何者かの声が流れていた。


その声はエリディアンと彼らが信仰する神への憎悪であった。


「聞こえたかメルターよ。私には昼夜を問わず。この声が聞こえてくるのだよ。そしてこれは我らを作った創造主の声なのだ」


「......その証拠は?」


「私は、いやスヴァールクスはこの存在の命令には逆らえない。命令を受けていない間は自由に出来るが、一度命令を受ければ、それには逆らえなくなるのだよ」


オロニアルは続けて


「私がスヴァールクスを統一しようとするのも命令による物だ。それを拒もうとすれば、私は死ぬ。そういう風に私も、そして君も作られて居るのだよ」


「この声とやらはオロニアル、お前以外には聞こえないのか?」


「私以外は無意識に聞いている......と言った所かな。我らが相争うのは、互いを強くしてエリディアンに打ち勝つ為の謂わば選別と進化......と言った所だろう」



「......それで私に何を望むのだ?」


「協力してほしいのだよ。私はこのままスヴァールクスを統一する。そして我らの同胞の命を奪った忌々しきエリディアンを滅ぼすつもりだ。その上で私は1つの仮説を立てたのだ。それを同時に実行してほしい」


「仮説......だと.......?」


「ああ、残念な事に君も私もスヴァールクスであるという大枠から外れる事は出来ない。だが、このままでは我らはエリディアンに勝利した後に、マルドゥークの復活の糧になるだけなのだよ。君はそれを易々と受け入れる様な存在ではないだろう?」


「......それで.......?」


「ああ、そこでスヴァールクスではない生物に遺伝子を強制変換させて我らの神として生まれ変わらせるのだ。君の卓越した頭脳でそれを為して欲しい」


「......お前はそれで何がしたいのだ.......?」


説明を聞いたメルターはオロニアルの真意を問う。


「私はこのまま座して死を待つつもりは無い。勇猛かつ数も桁違いに多い、我らスヴァールクスこそ、宇宙の覇権を握るに相応しいと考えて居るからだ。その為に手を組もうと言って居るのだよ。君は未知の事柄を研究するのが好きだろう?共に神という未知の存在を作ろうではないか」


「......良いだろう。ただし研究の邪魔をするなよ。そして望んだ道具や生物は直ぐに用意しろ。良いな」


「いいだろう。だが、まずはソラリスの統一からだ」


2人はスヴァールクスの未来の為に協力関係を結んだ。当時、エリディアンに圧倒されていたスヴァールクスの諸部族を統一する事から始めたのだった。




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