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Space Liberator  作者: ツインタニア
銀氷のアリゲーター

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対立構造

アラデスクはカイマンと別れた後に、皇帝に謁見するべく王宮の廊下を進んでいた。


「アラデスクだ。陛下へ取り次いでくれ」


やがて謁見室に辿り着き衛兵に声を掛けた。


「承知いたしました。少々お待ち下さい」


やがて衛兵は戻ってきた。


「どうぞ、お通り下さい」


衛兵は重厚な扉を開いてアラデスクを通した。


「......母上もご一緒でしたか、お二人共お元気そうで何よりでございます」


部屋にいたのはアラデスクの父である皇帝だけでは無く、彼とは血の繋がりが無いカイマンの母である皇后ミザールも一緒だった。


ミザールは元々は側室であったが、アラデスクの母である前皇后の死後に皇后の座に着くことができた。


2人にアラデスクは深々と頭を下げた。


「......アラデスクよ。私はお前の母ではない。故に母上とは呼ぶな......」


ミザールは静かに苛立った様に述べた。


「失礼いたしました......形式上はそうでしたので、つい......」


「......ふんっ!それで前皇后の息子のお前が一体、陛下に何の用だ......」


ミザールはそっぽを向きながら、アラデスクに問いかけた。


「......ははっ......!観測所よりドルゴヌの本拠地プラキオ星から異常なまでのエネルギーを検知致しました。前にご報告致しました神霊計画が動き出した物と思われます。これを止めなければ我らにとって脅威となる事は必定です。故に攻撃を進言致します」


アラデスクは頭を下げながら2人に話した。


「......そちらに軍を向けて......スヴァールクスの対処は、どうすると言うのだ?」


皇帝はアラデスクに問う。


「既に宇宙政府側と協議を重ねており、此度も共同作戦という形をとります。ですので、軍勢は大きくは動かす必要がございません」


「......何を言う......人間ごときの争いに何故我らエリディアンが関わる必要がある?野蛮な人間なんぞ好きに争わせておけばよかろう?」


ミザールはアラデスクの説明を遮る様に口を開いた。


「......お言葉ですが皇后様、宇宙政府との同盟は我らがスヴァールクスらと対峙する上で非常に重要な事であります。それに人間は今後大きく進歩して我らと同等......いえ、それ以上にだって進歩する可能性もございます」


アラデスクは続けて


「故に無駄に争わずに手を取り合い、発展していく事こそが我らにとっても利益を生むと私は考えています」


しかし、その言葉はミザールには届かなかった。


「人間と手を取り合うだと!?お前は我ら誇り高きエリディアンを何と心得る!?......陛下!この様な誇りのカケラもない存在を皇太子の座に据えてはなりませぬ!即刻廃位すべきです!」


ミザールは皇帝の方を向きながらアラデスクを指差して訴えた。


「......ミザールよ。人間と組む事自体は私も賛成だ。いや、今はそうせざるを得ない状況なのだ。分かってくれ」


2人はアラデスクに聞こえない様な小声で話し出す。アラデスクを嫌う皇帝であったが、今の情勢を鑑みて彼の意見に賛同した。


「......なっ......!?あなた......どうして急に......?大体......こんな庶民と関わる様な......穢らわしい奴よりも......カイマンの方が......何倍も......」


ミザールは皇帝が味方にならなかった事に驚き、ブツブツと文句を垂れたがそれ以上は、異論を唱えなかった。


「聞いた通りだ。アラデスクよ、ドルゴヌの対処はお前に一任しよう。直ちに対処に取り掛れ」


「ははっ!失礼致します」


父の承諾を得たアラデスクは一礼をして、部屋を後にした。


「どういうことですか!?あいつの言う事なんぞ聞く必要はございません!我らエリディアンが蛮族如きと手を組むなんて!」


アラデスクの退出後にミザールは皇帝の決定に対して不満を漏らした。


「お前は政治が分かっていないのだ。カイマンを皇太子に据えるにしても、あいつはまだ未熟よ。それに今すぐにその座を変えては国が混乱するのは必定......故に無理難題を徐々に与えて、合理的に廃位するのが最も安全であろう」


皇帝は意図を説明した。


「......良かった。安心しましたわ陛下。それではその時を待ちましょう」


ミザールは説明に安堵した顔を見せた。


ーー


アラデスクは部屋から出てカラシコフの元に向かった。


「殿下、お帰りなさいませ......それで結果は......如何でしたか?」


カラシコフはアラデスクと出会うと皇帝との話の結果を聞いた。


「ああ、許可は取れたから問題は無い。早速、宇宙政府との調整を始めていくつもりだ。カラシコフはその他の準備を頼む」


「ははっ!必ずや......エマを救出して......作戦を成功させましょう!」


カラシコフは真っ直ぐな眼差しでアラデスクを見て、力強い言葉で述べた。


「ああ、当然であろう」


アラデスクもそれに応えて、二人はそれぞれ別れて行った。

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