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Space Liberator  作者: ツインタニア
銀氷のアリゲーター

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新生の為の一歩

ドルゴヌ本拠地 プラキオ星


プライマリークリスタルを伴ってオイミャク星から脱出した研究者の男はプラキオ星へ辿り着いた。


「首長、お待たせ致しました。遂に......遂に我らの悲願が達成されようとしています」


首長の執務室には研究者と首長、そしてそれを黙って聞く少女の3人しかいない。


「そうか......遂に力が溜まり切ったか......プライマリークリスタルの準備は万全か.......?」


「エネルギー自体はオイミャクで溜まりきりました......ですが、活性化に至るまでにはしばらく調整が必要です。しかし、そう長くは掛からないでしょう」


「そうか......ならば、一刻も早く調整を終わらせよう......そして作るのだ。我らの力となる神を.....不死鳥フェニックスを......」


首長は手を広げ、声をあげて喜びを露わにする。


「......お前はもうすぐ死から解放され、国の敵を悉く滅ぼし、永遠に祖国を守り、繁栄の礎という存在になる......これほど名誉な事は無い。そうであろう......?」


首長は少女に問いかけた。


「はい......全ては......ドルゴヌの為......祖国に奉仕できること......この上ない名誉と思っております」


少女は感情のない機械的な声で応える。


「逃げ出すことなど不可能だと思っておけよ......エマ・ラタトスク......お前という器を手に入れるのに何年......いや、それ以上の物を掛けてきたのだ......逆らえばどうなるか分かっていよう.......?」


首長はモニターを操作して画面に彼女の両親を映し出す。


エマの両親は彼女の神霊計画参加の見返りとして、首都プラキオ星での出稼ぎを許可されていた。


しかし、裏を返せば首長のお膝元で、命を握られる人質という状態であった。


「当然です......ドルゴヌの繁栄の為......この命がお役に立てるのであれば、喜んで捨てましょう」


エマは即座に返答する、しかしその言葉はどこか悲しげであった。


「それでは首長、私はこれで......調整の方へ戻ります」


研究者は部屋から出ていった。


ーー


イルメグ星にてアラデスクに一つの報告が入る。


「何.......?プライマリークリスタルが活性化しているだと?」


アラデスクは報告に来たカラシコフの話を聞いた。


「はい。オイミャク星で観測した膨大なエネルギーが放出されようとしている様です。その余波が非常に大きく、イルメグからも観測できるほどの強さです」


「......まさか......エマの言った神霊計画......あれを実行に移そうとしているのか.......?対応を協議せねばなるまいな......カラシコフ......引き続き観測を頼む。何かあればすぐに知らせてくれ」


「ははっ!承知いたしました。戦闘には出れぬ分、それ以外でお役に立ってみせましょう!それでは失礼致します!」


カラシコフは部屋から勇んで出ていった。


「......エマ......お前は生を諦めるというのか......まだ、生きる道は必ず残されているはずだ......」


アラデスクは静かに呟いて、カラシコフに続いて部屋を出て、父である皇帝に報告へ向かった。


王宮の廊下を歩き出して、しばらくするとカイマンと偶然出会った。


「久しぶりだなカイマン。元気そうで何よりだよ」


アラデスクは声を掛けるが、彼の姿を見たカイマンは露骨に怯え出した。


「ヒッ......!あ、兄上......わ、私に一体何の用でしょうか.......?」


カイマンはアラデスクから目を逸らしながら返答した。


「......用......という訳ではないが、弟に出会った兄が声を掛けるのはおかしい事ではないだろう?」


アラデスクはカイマンに近づこうとしたが、カイマンは後退りをした。


「と、とにかく!私は用がありますので、これで失礼します!」


カイマンは足早くその場を立ち去っていった。


「......カイマン......お前は......一体何をしようとしているのだ?」



アラデスクは去っていくカイマンの背中を見つめた。


「ハァ....ハァ....くそっ!あのエマとかいう人間も居なくなったせいで、一向に話が進まないじゃないか......」


カイマンは1人になってから苛立ちを募らせた。


「もはや......計画は中止するべきか......?......だが、今さら後戻りなんてしたら......一体どんな目に遭うか......」


カイマンは頭を悩ませた。



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