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Space Liberator  作者: ツインタニア
銀氷のアリゲーター

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逃れられない呪縛

ソルアはイオリアと別れた後に、彼の指示に従いアラデスクとウラソフのテントに訪れた。


「失礼します。イオリア司令官より遣わされました。副官のリヒャルト・ソルアです。司令よりお二方へお届け物です」


ソルアはテントに入りながら名乗り、封筒を渡した。


「ふむ、これは.......?」


ウラソフとアラデスクは封筒の中を見た。


「こちらは、今後のオイミャク星についての資料との事でして、目を通して欲しいと司令官は言っておりました」


ソルアは自信満々に応えた。


「......資料.......?これは、ソルア、私には司令から君への手紙に見えるが?」


ウラソフはソルアに紙を返した。


「え......?」


ソルアは紙を受け取り、中を見る。


そこには、イオリアの字で自らの役職であるオイミャク星長官の権限をソルアに譲ると書いてあった。


「......え......?......え......?ど、どういうこと?」


ソルアは困惑しながらも、手紙を読み続けた。


「戦いで死んでいった者達、今までの業は全て私が引き受ける。そして、残された兵士達は次代を継ぐお前が導くのだ。それは古い私には能わぬ、お前にしか能わぬ事だ......」


ソルアは震える手で手紙を読み終えた。


「イオリア......司令......まさか......そんな......」


ソルアは思わずイオリアの元へ走り出した。


「そんな......ありえない......司令が......ありえない......」


ソルアは走りながら心の中で願い続けた。


「イオリア司令!司令!何処にいますか!?」


イオリアがタバコを吸っていた場所に戻ったソルアは必死で叫びながら辺りを探し続けた。


「あ!良かった......司令......心配しましたよ。悪い冗談はやめて下さい......」


イオリアはソルアに背を向けて瓦礫に座っており、ソルアは背後からイオリアの肩を叩いて声をかけた。


「司令.......?悪い冗談はやめて下さい......これからは皆でオイミャクを復興して行こうではありませんか」


しかしソルアの呼び掛けにイオリアが応える事はなかった。


「ハァ....ハァ....何とか追い付いたな......ソルア......」


そうしているうちにアラデスクとウラソフがソルアに追いついた。


「手紙の内容を見るに......考えたくは無かったが......」


アラデスクはソルアの様子を見て状況を察した。


「ですな......しかし......軍人というのは国に忠義を尽くす事を1番に学ぶ......私が逆の立場ならば......あそこに座っているのは私になっていたかもしれない......」


ウラソフも同様だった。


「司令!イオリア司令!やめてください......悪い冗談は......やめて......下さいよ......」


ソルアはイオリアを抱き抱えて声を掛け続ける。


イオリアの手には発砲した直後でまだ熱を保った拳銃が握られていた。


その様子を見たソルアは直感的に理解したが、頭は理解を拒んでいた。


「......ソルア......君の気持ちは痛いほど分かる......だが、君も理解していよう......」


ウラソフはソルアに声を掛けた。


「......うぅ......なんで......どうして......司令......」


しかしソルアにはその声に耳を貸す余裕は無かった。


「良い加減にせぬか!イオリア司令は君に意思を託したのだ!君も軍人であればそれに応える努力をせぬか!」


ウラソフは先ほどよりも強い言葉を投げかけた。


「......そう......ですよね......すいません......お見苦しい所を......」


ソルアは立ち上がった。


「司令......貴方の意思は私が引き継ぎます......」


ソルアはイオリアの亡骸を見て呟いた。


「うむ、それでこそ武人よ」


ウラソフがソルアを褒めた、その時、イオリアの亡骸は突然赤く発光して、ゆっくりと動き始めた。



「司令!生きてらしたんですね!良かった......」


それを見たソルアは喜んで彼に無防備に近づいた。


しかし、イオリアの足取りはおぼつかず、目もまるでゾンビの様な状態だった。



「......何かおかしいぞ......ソルア!離れるのだ!」


アラデスクはソルアに叫んだ。


「え?」


ソルアは声に反応して振り向く、その時イオリアは腰の軍刀を抜いてソルアに振り翳した。


「まずいっ......!」


アラデスクは咄嗟に光剣でイオリアの剣を防ぐ。


「え!?司令!ど、どうしたんですか!?」


ソルアは突然の事態を理解できずに居た。


「くっ......やむを得ぬ......」


ウラソフは拳銃を抜いてイオリアの足を撃ち抜いて、そのまま彼は崩れる様に倒れた。


「ハァ....ハァ....死してなおこの装置は作動すると......言うのか.......?すまぬ......ソルア.......」


イオリアは苦しみながら声を絞りあげた。


「司令!?司令ですか!?」


それを聞いたソルアは駆け寄った。


「……すまぬ……ソルア……星長官クラスの身体には……ドルゴヌに背く行為をした際、

無理やり周囲を攻撃させる装置が……仕込まれている……」


「え!?そんな物が......?」


ソルアは初めて聞く、それに驚いた。


「案ずるな......お前達にはそれがない......だがら......お前に後を......託したのだよ......」


「そ、そんな!そんな事が......」


ソルアは目に涙を浮かべた。


「ふふ......武人が泣くでない......しかし、まさか頭を撃ち抜いても動き出すとは......予想外だった......」


そのままイオリアは目を閉じて、今度こそ本当の眠りについた。


「命令に従わせる装置......ザメルが言っていたのはこれの事か......」


隣で聞いていたアラデスクはザメルの報告にあった情報を思い出した。


「なんと酷い......死してなお、この様な......」


ウラソフはドルゴヌに対して憤慨した。


「お2人とも、ありがとうございます。私は......司令の意思を継いで、必ずやオイミャクを......これまで以上に豊かにしてみせます」


ソルアは高らかに宣言した。


その目は先ほどまでの自信なさげな青年の面影は何処に見えず、イオリアの様な老獪で経験豊富な自信に満ちた目だった。



















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