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Space Liberator  作者: ツインタニア
銀氷のアリゲーター

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無力な想い

「お2人ともお怪我はありませんか?」


ルインは近づいてシャナとイーダに声を掛けた。


「あ、はい......大丈夫です。助けて頂きありがとうございました」


シャナはルインに礼を伝えた。


「ありがとうございました......えっとルインさん......でよろしいですか?」


「はい。問題ありません。お2人ともご安心を、我々が安全な場所まで連れて行きますので指示に従って下さい」


「「はい!!」」


2人は元気に返事をした。


「良い返事ですね......さて、彼らもそろそろ着く頃だと思いますが......」


ルインは呟きながら後ろを振り返る。


「ハァ....ハァ....。ルインさん突然スピード早めて......どうしたんですか?追い付くの大変でしたよ......」


そこには走って来たリュウキとシリカの姿があった。


「あれ?救助者の方ですか?」


シリカは2人に気付いて声を掛けた。


「......まぁ、事情は後ほど説明します。とりあえず彼女達を連れて行って下さい。私はザメルと共に、一帯を一回りしてから戻ります」


「分かりました。じゃあ2人とも行こうか。私はシリカ、こっちはリュウキって言うんだ。よろしくね」


シリカは微笑みながら自己紹介をした。


「はい!私はシャナって言います!それと......」


シャナはイーダの方を向いた。


「私は......イーダって言います。よろしくお願いします!」


2人は元気に挨拶をした。


(イーダ......聞いたことが......そうか、シリウスの妹の名前だったな......同じ名前とは......こんな偶然あるんだな)


リュウキはイーダがシリウスの妹の名前と同じ事に気付いた。


「リュウキ、どうしたの?早く行こうよ」


「ああ、ごめん。行こうか......」


4人は陣地へ向けて進み出した。


しばらく歩いていると、群れからはぐれたスモリストが数匹とパラフェクト1匹が徘徊していた。


「シリカ、パラフェクトを頼む」


リュウキは即座に光剣を構えて、スモリストへ走り出した。


「分かったわ。それじゃあ小ちゃいのは頼むわよ!」


シリカもリュウキに合わせながら、弓を構える。


「ハァァ......!」


リュウキはブリンクして速攻で1匹目を倒す。


残りのスモリストは2体同時にリュウキに飛び掛かった。


「お前らみたいなのは、何体倒してきたと思ってる......」


リュウキはそのまま一瞬の内に2匹を切り伏せた。


スモリストが一瞬で倒された事で残ったパラフェクトは逃げようと走り出した。


「逃がさないよ......街をこんなにして......逃げられると思わないでよね......」


シリカは弓を構えて、そのまま逃げ出すパラフェクトに狙いを定めた。


彼女の矢は、構えの一瞬の静止を挟んで、音もなく放たれた。


パラフェクトは頭を使って、障害物に隠れながら逃げようとしたが、シリカのロックオン射撃から逃れる事はできずに胴体を貫かれた。


断末魔と共に緑の血が吹き出る。


「ふぅ......リュウキの方は大丈夫?」


「ああ、問題ないさ」


「そう?なら良かった。早く行きましょう」


リュウキとシリカは長年の戦友の如く綺麗な連携で敵を掃討した。


「す......すごい......お2人とも強いんですね......」


シャナは2人の戦いぶりに驚いた。


「私達は訓練したからだよ。特別にすごい訳じゃないよ」


シリカはシャナの感想に軽く返した。


(私は......イーダちゃんを守るって言いながら......結局、逃げ回ってただけだった......何も出来なかった......)


シャナは自らの無力さを悔やみながらシリウスとの過去を思い返す。


ーー


人気の無い広場でシャナはシリウスの拳銃による射撃練習を見学していた。


「うわぁ、シリウスちゃんすごい!全部真ん中に命中してるよ!」


的への距離は約60メートル、普通に狙うのはかなり難しい距離だった。


しかしシリウスは百発百中で弾を的へ命中させた。


「ふふん、練習の成果だってば、あんな奴らには負けてられないよ。シャナも試しに撃ってみる?」


シリウスは得意げな顔をしながら、シャナに言葉を返した。


「じゃあ、ちょっとだけやってみても良い?」


「もちろん良いよ!じゃあ、はい!」


シリウスは自身の使用しているデザートイーグルをシャナに渡した。


「うわぁ......小ちゃいけど、ズッシリしてて重いね」


シャナは初めて感じる感覚に驚いた。


「ふふふ、初めてはそんな物だよ。......じゃあ構えてみて」


「うん......分かった」


シャナは的に向かって銃を構えた。


腕を少し伸ばして銃を構えるだけで途端に持っているのが厳しくなる。


「......ずっと構えたままで居るのって......大変だね」


「そうそう。だから構えたら早く狙いをつけた方が良いよ」


シャナは的を狙おうとするが、上手く定まらずにやがて重さで手がプルプルと震え始めた。


「ほらほら、手が下がってるよ〜」


シリウスはシャナの手を補助するように持った。


「こうして......狙いを定めて......うん、ここだね。ほら、引き金を引いてごらん?」


シリウスはシャナを補助しながら照準を合わせて、優しく伝える。


「わ、分かった......行くよ......」


シャナは緊張しながら一瞬の間を空けて引き金を引こうとした時。


彼女の目の前にあるのはただの的、しかしシャナは引き金を引く事で超えてはいけない何かを超えてしまう様な気分になり、引く事が出来なかった。


「どうしたのシャナ?大丈夫?」


シリウスに声を掛けられて、我を取り戻したシャナはどうにか引き金を引いた。


「うわっ......!」


銃声と共に弾が発射され、反動でシャナの腕は吹き飛びそうになるが、シリウスが押さえつけた。


「すごい反動......ちゃんと持ってたつもりなのに......シリウスちゃんが居なかったら、私、飛ばされちゃってたよ......私には無理かな......」


「慣れれば出来るようになるよ。私も最初はシャナと同じで大変だったよ」


シリウスは落ち込むシャナを励ますように語りかけた。


「うん......ありがとう......」


引き金を引いた瞬間、何かが壊れてしまう気がして、シャナはそれ以上続けられなかった。


ーー


シャナはシリウスとの過去を思い返して激しく後悔した。


(あの時......銃をちゃんと習っておけば良かったな......)


「よし!もう少しで陣地が見えてくる!あと少しだ!」


リュウキの言葉と共に、皆の足は早まっていった。









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