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Space Liberator  作者: ツインタニア
銀氷のアリゲーター

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2人の逃避行


シオが去った後、戦闘で深い傷を負っていたアラデスクは膝をつく。


「殿下!大丈夫ですか!?すぐに手当てを」


周りの部下達は駆け寄って来る。


「いや......私は良い......他の傷ついた者を治療すると良い。動ける者は動けない者を助けてやってくれ!」


アラデスクは弱々しくも部下に命令を発した。


「しかし......その怪我では......」


兵士達は、それでも食い下がった。


「その怪我のまま指揮を取られては部下に不安を招きます。上に立つ者ならばそれくらい理解しているのは当たり前でしょう。それとも、殿下は部下達を信じられないのですか?」


シタデレは強がるアラデスクに問い掛けた。


「シタデレ......すまぬ......周りが見えていないのは私だった様だ......後は任せた」


アラデスクはそのまま肩を借りながら、野戦病院へと向かった。


ーー


一方でリュウキ達は救助したドルゴヌの一般市民や兵士達の避難誘導を続けていた。


「ねえ、皆見て!」


シリカは空を飛ぶ研究者の乗ったロケットを指差した。


「ロケット......?なんで突然......」


ロケットが飛んだ直後、周りに居たスヴァールクスは突然リュウキ達を無視して走り去っていった。




「なんだ......突然敵が退いていってる......あのロケットと何か関係があるのか?」


ユウゴはこの動きを怪しんだ。


「良く分からんけどよ!今のうちに救助を進めちまおうぜ!」


「ああ......そうだな......リュウキ、シリカ、2人はルインさんと共に他の生存者を助けてくれ!」


ロドメルの言葉にユウゴも同意して指示を出した。


「ああ!分かった!ルインさん......今の聞こえてましたか?後は街の北側だけです」


リュウキは無線でルインに呼び掛けた。


「ええ、聞こえています。ですが、北側は何か嫌な気配がします......気を付けて行きましょう」


そのまま二手に別れてリュウキ達は生存者の捜索に向かい、ロドメルとユウゴは救助者を護衛を続けた。


ーー


「ハァ....ハァ....良かった見つからなかったみたい......イーダちゃん、大丈夫?苦しくない?」


シャナとイーダはスヴァールクスの攻撃が始まってから、避難場所の星庁舎に向かっていたが、身体の弱いイーダの体力が持たずに近くの建物の裏に隠れていた。


「うん。ちょっと窮屈だけど......大丈夫だよ」


イーダは弱々しくも返事をした。


「怖いなぁ......何でこんな事になっちゃったんだろう......お姉ちゃん無事かなぁ......」


イーダは未だに会えていない姉の無事を心配した言葉を呟いた。


「......うん......シリウスちゃんは強いもんきっと無事だよ」


シャナは嘘を吐いた胸の苦しみを抑えながらもイーダに真実を伝える事が出来なかった。


(言えないよ......言ったらイーダちゃんは本当に1人になっちゃうから......でも、ずっと隠し通す事は出来ない......一体どうすればいいの......)


シャナは頭の中で悩み続けたが、結論は出なかった。


「シャナちゃん」


イーダの声にシャナは振り向く。


「うん?どうしたの?イーダちゃん」


「ありがとう、シャナちゃん。お姉ちゃんが居ない間色々お喋りして私と一緒に居てくれて本当にありがとう」


イーダはこの戦いに場違いな程、満面の笑みでシャナに礼を伝えた。


「でも......ごめんね。シャナちゃんのお家にお邪魔しちゃって......今も私のせいで......逃げるのが遅れちゃって......」


イーダは申し訳無さそうな顔をした。


「そんな事ないよ!私もイーダちゃんと一緒に居れて凄く楽しかったよ!」


「そ、そう?えへへ......ありがとうシャナちゃん」


2人は地獄の中で笑い合った。


(私が......私が守らなきゃ......イーダちゃんは......私が)


シャナはイーダを守る改めて決意する。


シャナは再び外の様子を伺うと、星庁舎から一本のロケットが打ち上げられ、程なくしてスヴァールクスは何かに怯える様に何故か後退していった。



(何だろう......突然化け物が消えた......良く分からないけど......今のうちに星庁舎へ向かうべきかな......?)


「イーダちゃん、化け物が今は居ないみたい......今のうちに星庁舎に向かおう!」


「うん。分かった」


イーダはシャナに返事をした。


「じゃあ......行こうか......」


2人は隠れていた物陰から慎重に出た。


(さっきまで......沢山いた化け物が......今は逆に1匹もいない......寧ろ不安になってくるよ......シリウスちゃん......私たちを守ってね)


シャナは近くに落ちてた鉄パイプを右手に握り、左手はイーダの手を握りながら歩き出した。


「ひどい......街がこんなに破壊されて......」


イーダは変わり果てた街並みを見て思わず呟いた。


「......皆、無事だと良いね......」


そんな会話をしながら慎重に進む2人に災厄が降りかかる。


「あら?誰かと思えば......エマさんかな?見た事あるエネルギーの形をしてる......妹さんか何か?」


何の気配のしなかった背後から、唐突に声が聞こえ、2人は驚いて振り向くと1人の少女が立っていた。


「そんなに驚かなくても......面白い力を持ってるなぁ......って思ったから......見にきただけよ......」


(何......この女の子......人間.......?年は......イーダちゃんと同じくらいだけど......背中の黒いのは......翼.......?......ていうかエマって......何でお姉ちゃんの事を?)


背後にいた人物は明らかに同じ人間とは思えない姿だった。


シャナはその少女の異様さ、美しさ、そして溢れ出る神の如きオーラに圧倒されかけた。





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