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蒼き刃の救援

5話完成しました!表現がちゃんと伝わるか不安ですが、楽しんでいただけたら幸いです!

公園の中に入った俺は、見通しの良い道を避けて、ひたすら木々を掻き分けて洞窟へ一直線に向かった。途中木々の隙間から伺える空中戦に、先程から見慣れない近未来的な戦闘機がいる。おおよそ人類が作ったとは思えないデザインだが今はそんな事気にしてる場合ではない。

公園の中にも多くの化け物がいたが生い茂る木々のお陰で見通しが非常に悪いため、どうにか見つからずに洞窟の入り口に到着した。


「よし、ようやく着いた」

「シオ!シオ!居るか?俺だ、リュウキだ!」


俺は少し不安を抱えながらも化け物が寄ってこない程度の大きさで声を掛けた。


「え?!お、お兄ちゃん?お兄ちゃんなの?」

シオはそう言うと洞窟から顔を覗かせる。その瞬間シオは俺に駆け寄り勢い良く抱きついてきた。


「うわあああん……よかった……! お兄ちゃん……生きてて……!

隠れてる間……ずっと、ひとりで……すごく不安で……。

サクヤは? クラスのみんなは? パパもママも……お兄ちゃんも……みんな無事なのかなって……ずっと考えてて……」

「ああ、俺はちゃんと生きてるし...サクヤちゃんも無事だ。サクヤちゃんが教えてくれたから俺はここが分かったんだよ。彼女もちゃんと避難所に辿り着いてるよ、父さんと母さんは仕事に行ってるから同じ避難所じゃないけどきっと無事だよ。大丈夫」

「サクヤも無事なんだ...良かった...本当に...」

「というかお前、聞いてびっくりしたぞ自分が囮になるなんて」

「え...えへへ、ごめんね心配かけて、でもあの時は身体が勝手に動いちゃって...」

「ほんとお前は昔からそうだよな、川で溺れてる子犬を助けるために飛び込んでたあの時から変わってないよ」

「とにかくここは危険だ。早く避難所に戻ろう」

「うん、分かった」


俺たちは来た道を戻り公園を抜ける事にした。


一方リュウキがシオを探しに避難所の基地を飛び出した頃、

惑星ダラス上空

スヴァールクス超巨大戦艦アズガルド内部


「失礼いたします。オロニアル様」

「ゼータヘッグか、どうだ?スヴァールクスとして生まれ変わって3日経ったが身体の方は慣れたか?」

「はい!今まで人間という下等な種族であったことを恥じており、これよりはスヴァールクスの一員として粉骨砕身の覚悟でオロニアル様にお仕えさせていただく所存です!」

「そうか、それでお前がここに来たということは目的の物を見つけたということであろうな?」

「はい!マインドエネルギーを常人とは比較にならないほど多く有している人間を発見致しました!」

「その者は少女であり現在は惑星都グランコ内の公園に逃げ込んだ事まで確認しております!」

「そうか、見つかった事は喜ばしい、しかしその言い方では捕縛までは至っていないということか?」

「申し訳ございません。宇宙政府軍だけでなくエリディアンの蒼天艦隊、地上部隊との戦闘に多くの軍勢を割かれており捜索は難航しております」

「そうか、その少女だけは何としてでも手に入れねばならん。ようやく見つけた器だ。どんな手を使っても手に入れろ」

「はは!オロニアル様のためこのゼータヘッグ死力を尽くし捕縛して参ります!」

「よし、その言葉を信じよう。では、下がれ」

「失礼致します!」



一方リュウキとシオは公園の出口近くまで来ていた。


「シオ、ここからは街に出るから隠れる場所が少ない。慎重に行こう」

「うん。分かった」

「とりあえず、軍の兵士に保護して貰うのが1番手っ取り早いかな」

「そうだね、避難所に向かいながら兵隊さんが居たら助けてもらおう!」


街中に入り慎重に進んでいくと、1つ気づいたことがあった。先程は化け物が多く街中を歩いていたが、軍が掃討してくれたのだろう明らかにその数が減っていた。


「この分だと早く行けそうだな」


そう呟いた直後、地面が僅かに揺れているのに気づいた。


「お兄ちゃん。なんか揺れてない?地震かな?」


シオも揺れに気付いたようだ。揺れは徐々に大きくなり始め、やがて立っているのも難しくなってきた。その時道路の奥がモグラが通ったかの如く盛り上がりこちらへ向かって来ているのが見えた。その大きさは片側2車線の道路を埋め尽くすほどだった。


「あれはやばい」そう呟いた俺はシオの腕を引いて逃げ出そうとした。

だが、地面は揺れ続け、足元は瓦礫で埋まり、思うように走れない。そうしている内に地面を割って現れたのは、甲殻に覆われた巨獣だった。クワガタの顎のような牙がガチリと鳴り、砕けたアスファルトを撒き散らしながら迫ってくる。

「くそっ、逃げろ!シオ!」必死に叫んだが、自分の足は恐怖と揺れでまともに動かない。

圧倒的な質量がこちらに突進してくる。避けられない――そう悟った瞬間、全身が凍り付いた。

俺はまずいと思ったが、もはやどうすることもできず、死を覚悟して目を閉じた。せめてシオだけでも逃げ延びてほしいと心で願った直後のことだった。



何かを切り裂く音が聞こえた。

恐る恐る目を開いてみると、化け物の巨体が両断され、黒い体液を撒き散らしながら崩れ落ちる。

そこに立っていたのは、人間とは似ても似つかぬ高貴な姿の戦士だった。身の丈は2mを超えており、蒼い輝きを帯びた装甲は有機的な曲線を描き、背からは光の翼のような粒子の残滓がゆらめいている。

その両手の装甲からは純粋な光そのものを凝縮したような青色の光線の刀が飛び出していた。

彼はゆっくりとこちらへ顔を向けた。

「人の子よ。生きているな?」

その黄金の瞳がリュウキを射抜く。























いかがでしたか。次も見ていただけると嬉しいです!

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