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Space Liberator  作者: ツインタニア
解放の夜明け

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30/57

それぞれの弱点

リュウキ達3人はしばらく歩き続け、やがてトンネルに巨大な穴が空いているのを見つけた。


巨大な穴は何処かに通じているらしく奥に光が見える。


「探知機の反応が更に強くなりました。どうやらここにいる様ですね」


「クイーンは戦闘で危機を感じた際には卵を大量に産み数で圧倒しようとしてきます。また知能も高いので罠を張る可能性もあります。気を付けて、そして迅速に倒すつもりで行きましょう」


「はい!」


ーー


ルイン達が動き出してすぐにシタデレのチームもまた行動を開始していた。


「全く......相変わらずの行動の速さだなァ、あの女は」


「じゃあとりあえずクイーン討伐の為に探索を開始する......と言いたいが、見たところ陣地の防備はまだ不十分だ。だから、周りの敵を排除しつつ肩慣らしと行こうか」


「分かりました。エマ、訓練通り速さで敵を翻弄しよう」


「りょーかいだよ!」


「で、そこのガキ」


「え?俺ですか?」


「ああ、お前だ」


シタデレはロドメルを指差しながら呼ぶ。


「お前は今回私が良いというまで射撃だけで敵と戦え」


「え?射撃......だけ?ですか?......でも俺射撃苦手で......」


「苦手だからこそやらせるんだよ。アホガキ、苦手ならやめておくかァ?そうして逃げるだけの負け犬だと自分で認めるのかァ?」


「うぐ......がんばります......」


「お前ら2人は戦闘中にブリンクを多用するな一撃確殺で戦え、理由は一緒だ。いちいち言わせるな」


「え!?大丈夫かなぁ......ユウゴ君自信ある?」


「自信はない.......が、やるしかないだろう......弱点を補わずにこのまま進んではいつか限界が来るだろうからな」


ユウゴは覚悟を決め光剣を出して、それを見たエマも覚悟を決める。


「そうだね、戦うって自分でここまで来たんだもんね。頑張ろうねユウゴ君!」


「ハァ......やっと良い顔になったな.......全くルインめ、子守りを押し付けやがって......」



「じゃあ行くぞ、とりあえず適当な奴を相手にして肩慣らしだ」


4人は陣地の外に出てしばらく歩くとすぐに建物の上に鳥の様に留まる人間程のサイズの生物を見つける。


それは蛾の様な4枚の羽を持っており多数の複眼で注意深く獲物を探していた。


「シタデレさんあの羽が生えているのは何ですか?」


「ありゃあヴェノジストだな。もっと上空で航空機共と戦っていると思ってたが制空権取られて逃げて来たのか?素早く飛び回って酸を飛ばしながら攻撃してくる。装甲があるとはいえ食らえば怪我するかもな、気をつけろ」



「なんにせよ記念すべき初のお前らの敵だ。ほら、早く戦え。とりあえず突撃兵のお前からだ」


シタデレはロドメルに戦うよう促すとそのまま座り込む。


ロドメルは狙いを定めた。しかし、心臓の鼓動が耳を打つ。汗がこめかみを伝い落ちた瞬間、引き金を引いた。

――弾丸は外れ、ヴェノジストの複眼がギラリと光る。


即座にロドメルに狙いを定めて反撃をしてくる。


「うぉ!危ねえ......」


ロドメルは咄嗟に物陰に隠れて難を逃れた。


ユウゴとエマの2人もロドメルに合流してヴェノジストへの対処を考える。


その間にもヴェノジストは叫び声をあげ仲間を呼んでいるのか、それに応じて周囲から他の敵が集まってきた。


「あまり時間は掛けられないな。さて、どう倒すか......」



「そしたらさ、ルインさんを倒した時と同じ作戦はどうかな?」


「私とユウゴ君で敵を追い込むからさ、それでロドメル君が逃げた先を狙うっていう感じでさ」


「どうかな?シリカちゃんがやったのと同じ作戦だけど......」


「やって見る価値はあるだろう。ロドメル行けるか?」


「......俺が当てなきゃ行けないんだよな......練習では結局あまり上手くは射撃できなかったんだよ。だから不安で......」


「大丈夫だ。俺とエマの2人でお前が動きを予測できる様にフォローする。だから自信を持つんだ」


「そうだよ。イルメグに向かう前日に一緒に課題をやり切れたじゃん。ロドメル君はやれば出来る子だよ」


「ああ。わかった......やろう!絶対にあいつらを倒そう!」


「その意気だ。必ずやあいつらを倒そう!」


「「おう!」」


「ならまず私が敵の後ろにブリンクして攻撃するよ。そしたらユウゴ君が逃げ道の片方を封じてね。勝負は一瞬だから皆頑張ろうね!」


「了解だ!」


「任せてくれ」






その様子をシタデレは静かに観察する。


「偵察兵は一撃離脱。突撃兵は単純な戦闘。兵種毎の動きを無意識に理解できているのは合格だ。だが、それを実践出来なきゃ何の意味もない。これ以上......落胆させてくれるなよ」


3人に聞こえない声でシタデレは無意識に呟いた。








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