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Space Liberator  作者: ツインタニア
解放の夜明け

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イルメグ星への旅路


出発当日の夜に俺は両親が用事で居ないのをいいことに家に皆を呼んで出発の時間を待っていた。そうこうしているうちに皆揃い、ルインとの約束の時間になった。

「よし!じゃあ行こうか」

「おう!シオちゃん救出作戦絶対成功させるぜ!」


そうして俺達はシオが隠れていた秘密基地のある公園まで来ていた。


「リュウキくーん。この辺で待っていればいいんだよねー?」」


「ああ、ここで待ち合わせのはずなんだけど」


「それらしい物は見当たらないな」



「もう既に居ますよリュウキさん」


不意に背後から声がして、振り返るとそこには前回と同じ白銀の甲冑を身に纏ったルインが立っていた。


「うわっ!」


突然後ろから声がして驚き振り返るとそこには前回と同じ白銀の甲冑を身に付けたルインが立っていた。


「ルインさん...びっくりさせないでくださいよ」


「フフ...面白い反応を見せてくれましたね」


「おお、これが宇宙人か...生で見るのは始めて....」

ロドメル達は少し驚いていた。


「ふふ、これが“宇宙人”です。どうです?意外と普通でしょう?」


「リュウキさん以外は初めましてですので自己紹介致します。ルイン ライハルと申します。アラデスク殿下より皆様を迎えに行くよう仰せつかっております。気軽にルインと呼んで下さいね!皆様の事はリュウキさんより既に聞き及んでおりますので自己紹介は不要です。それでは皆様揃いましたので我らが故郷イルメグに向かいたいと思います」


「向かうって言っても船は何処にあるんですか?」


「皆様の目の前にありますよ。見つかると色々と面倒ですので隠しておきました」


ルインは右手を軽く掲げると、人差し指と中指を親指に添える独特の構えを作った。

そして中指を弾くようにして「パチン」と澄んだ音を響かせる。

その動きはどこか、寺院で僧侶が修行の際に行う“弾指”の所作に似ていた。



すると突然、空気が揺らぐようにして姿を現したのは、流線型の胴体を持つ金色の機体だった。

両翼は大きく広がり、羽のように輝く青い光が尾を引いていた。それは鳥や竜を思わせるシルエットで、

地球の戦闘機というよりも「神話に登場する聖獣」がそのまま機械になったかのようだった。

装甲は磨き上げられた金属のように光を反射し、所々に刻まれた紋様が青く淡く脈打っていた。


「え?す、すごい急に目の前に....」


「私もこの機体ザメルもクローキングしていました。余計なトラブルは避けたいですからね」


「おお、これがエリディアンの技術力か。やはり宇宙人ってすげえな!」


「見られない様に隠していたと言っているだろう。少し声を小さくするんだ」


ロドメルはかなり興奮していたがそれをユウゴが注意していた。


「さあ、それではご搭乗下さい」


「「はい!」」


入口を抜けた瞬間、外観からは想像できない広大な空間が広がっていた。

床は白銀に輝く金属でできており、歩くたびに足音が澄んだ音を立てる。

天井には淡く光るラインが走り、まるで星座のように繋がって輝いていた。

壁際には座席や簡易的な端末が並び、中心部には透明なパネルが浮かび上がって航行データを表示していた。


普通の戦闘機のような「狭いコックピット」の印象はなく、むしろ未来の豪華客船に近い。

それでも全体の空気にはどこか軍用らしい緊張感が漂っていて、

ただの輸送機ではなく「戦場へ赴くための翼」だと自然と理解できた。


「え?こんなに広いの?外から見たのと全然違うね」


「そうだねー。これが差し詰めエリディアンの技術力ってものなんじゃないかな?シリカちゃん」


そんなエマとシリカの疑問に対してルインが答えた。


「これは内部に空間拡張技術を使用しているからです。外側の大きさは変わりませんが内部を広くする技術があるのです。ですのである程度の生活環境は整っておりますよ。何せ単独での惑星潜入任務等にも使用される機体ですからね」


「さて、皆様の過ごす部屋にご案内致します」


個室のドアが開くと、そこにはまるで地球のホテルのような空間が広がっていた。

ベッドはふかふかに整えられ、机には光沢のある黒い石のような材質が使われている。

壁には青白い光を放つパネルが組み込まれており、ボタン一つで照明の色や強さを調整できる仕組みになっていた。

一見すると「人間の作った部屋」と言われても疑わないほどだが、

家具の角や装飾の細部には、地球では見たことのない幾何学的な文様が浮かんでいて、異質さを感じさせた。


「驚きましたか?ですが我らも睡眠も取れば食事も摂ります。人間と基本的な生活はそう変わらないのですよ」


「さて、そろそろ出発したいと思います。この戦闘機にはこれの全てを司るアンドロイドがいます。出てきて貰いましょうか」


ルインは再び指を鳴らすと光が走り、艦内の空間が一瞬きらめいたかと思うと――そこに一人の少女が現れた。

彼女は短く整えられた黒髪を揺らし、左右で赤と緑に輝く異なる色の瞳――オッドアイを持っていた。

その瞳は冷ややかでありながらも、不思議と温かさを感じさせる光を宿している。


彼女の姿は、近未来的な軍服を思わせる衣装に包まれていた。布地の縁には青い光のラインが走り、時折心臓の鼓動のように点滅している。外見だけを見ればリュウキたちと同世代か年下にも見えるが、その所作には妙な落ち着きがあった。


「初めまして。ザメルの専属アンドロイドでございます。呼び方についてはそのままザメルとお呼び下さい。ご搭乗の間皆様のお世話をさせて頂きます。どうぞよろしくであります!」


「あら?ザメル?貴方が人間の姿になるなんて珍しいわね」


「失礼ながら会話を聴かせていただきまして。人間の方々にとってはこの姿の方が親しみやすいと思考した結果でございます!」


「まあ、良いけどリュウキさん達の世話をよろしくね。私はイルメグまで操縦するから。それじゃあまた後で」


そう言うとルインは去っていった。


「かしこまりました。お任せ下さい」


「それでは皆様何かご要望があれば遠慮なく私の事を呼んでくださいね!この機体自体が私ですので何処で呼ばれても直ぐに向かいますので!」


「俺たちの向かうイルメグ星とはどういう所なんでしょうか?」


ユウゴが口を開きザメルに対して質問をする。


「そうですねぇ。私の中にあるデータによれば、エリディアンの聖地にして故郷であり最も発展した惑星であります」


続いてエマが質問をする。


「ふむふむ。エリディアンって言うのはどういう風に生まれたんですか?」


「エリディアンの神話では善なる神にして創造神ディザイアが悪神マルクーダを撃破してその残滓で作ったイルメグ星とイルメグ星にとっての太陽の恒星ミクトを作りそこに生命としてエリディアンを作ったと言われてますね。マルクーダを倒した後に残ったエネルギーで作ってイルメグに生活できる環境が整っていき発展していったというのが神話の流れですね。まあ昔の事なので実際の所はどうなのか分かりません。話半分に聞いていただければと思います」


「へえ。神話か人間と余り変わらないものね。...ていうかもう結構いい時間なのね。本来だったらもう寝る時間だわ」


とシリカが言う。


「それでしたら皆様それぞれ個室でお休み下さい。到着までは何もありませんので、皆様が起きる頃にはイルメグに到着いたしますのでその時に起こさせて頂きます」



「そうだな。皆これからは暫く忙しくなるからゆっくり休んでおいた方がいいだろう」


俺の提案に皆納得して今後に備えて休むことになり解散した。






















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