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Space Liberator  作者: ツインタニア
解放の夜明け

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親友の直感

 ラハブル星から家に帰った俺は、これからのこと――今後について考えていた。


 シオを助けるという気持ちに変わりはない。しかし、シオを助けるためにエリディアンと協力するという事は今の生活を捨てる必要があるだろう。


両親や同級生には何と伝えるべきか...伝えた所で止められるのは目に見えていた。


そもそもマインドエネルギーというのが俺の中にあるとアラデスクは言っていたが実際にどういうものなのかという説明がなかった為、実感が湧かなかった。


そして戦うという事は当然死ぬ可能性もある事。色々な思いが心の中を渦巻いて俺は静寂の中でベットに横たわっていた。その静寂を破ったのは携帯の着信だった。


「.........シリカ?どうしたんだろ」


そう呟きながら俺は電話に出た。


「もしもし、シリカ?」


「あ、リュウキ?もう家に帰れた?」


「うん。緊張したけど、どうにかやり切れたよ」


「テレビに映ってたもんね。画面越しでも分かるくらい緊張してる顔だったよ」


「え?そ、そんな分かるくらいだった?」


「うん。面白かったよ。ロドメル君やエマもリアルタイムで見て笑ってたよ」


「なんか...恥ずかしいなぁ...」


「まあその話はまた今度にしよ。改めてお疲れ様リュウキ君。折角だしさ、リュウキの退院祝いをしようってロドメル君達と話してるんだけど、どうかな?」


「そうなんだ。ありがとう嬉しいよ...」


「リュウキ大丈夫?少し元気が無いように感じるけど」


しまった。見破られた。俺は慌てて誤魔化す。


「え?そう?まあ少し疲れたなーとは思ってるけどそれだけだよ」


「そう?なら良いんだけど、そしたら皆んなに伝えてまた日程組んで連絡するわね。しっかり休んでおきなさいよ。分かった?」


「はいはい。分かったよそれじゃあな」


そう言って俺は電話を切る。


「全く。シリカには敵わないなぁ」


そう呟いて俺は眠りについた。翌日には連絡が来て3日後に皆んなで遊びに行く事になった。約束の前日までは学校から送られてきた教材をこなしながら何事もなく過ごしていた。そしてその夜に俺は寝る準備をしているとベランダから声を掛けられた。


「リュウキさんいますか?私です。ルインです。今後に着いてお伝えしたいので入ってもよろしいですか?」

「ルインさん?分かりましたどうぞ」


そう言って俺はを扉を開けたると白銀の甲冑に身を包んだルインが部屋に入ってくる。


「お久しぶりですね。リュウキさんお元気そうで何よりです」


「はい。ルインさんもお変わりないようで何よりです」


「ええ。それで今後の事についてなのですが、改めて問います。貴方は我々と共に戦う意志があるという事でよろしいですか?」


その問いに、俺は一瞬言葉を失った。胸は張り裂けそうだ。――家族を置いていくこと、二度と戻れないかもしれないことが頭を駆け巡る。だが、あの時のシオの必死な眼差しが浮かぶと、恐怖は決意に変わった。


「はい!戦います。絶対に勝ってみせます!」


「その返事を聞けて何よりです。では今後に着いてですが、簡単な力の使い方を学んでいただきます。そうして鍛錬を行った後に本格的に実戦に出ていただきます。鍛錬の場所は我々の星イルメグにて行いますので、そちらまで来て頂きたいのですがよろしいですか?そして出発できる日も教えて頂きたいのですが」


「学校自体はまだ休校ですので、家族には少し旅をしてくるとでも言っておきます。出発は明日は予定があるのでそれ以降であれば大丈夫です」


「かしこまりました。では明後日の夜に我々が初めて邂逅した場所の公園に迎えの船を出しますのでそれに乗って下さい。私からは以上です。何か他に聞きたい事はございますか?」


「いえ、大丈夫です」

「かしこまりました。......そうそう忘れる所でした。これをリュウキさんに渡しておきます」


そう言って彼女は小型のワイヤレスイヤホンのような物を差し出してきた。


「これは?」


「私達にとっての携帯電話と言えば分かりやすいでしょうか?それを耳に付けた状態で触って誰と通話するか考えて下さいそうすれば目的の人物につながります。もし何かあればそれを使って私に知らせて下さい」


「分かりました」


私からは以上です。何かご質問は御座いますか?」


「いえ。大丈夫です」


「かしこまりました」


そう言うとルインは少し微笑みながら

「貴方と共に戦えることを嬉しく思いますよ、リュウキさん。それでは失礼します」


そう礼を告げると、白銀の甲冑が月明かりを反射し、ほとんど音を立てずに体を浮かせると、一瞬で煙のように消えた。




朝になり待ち合わせ場所に向かうと既に皆来ているらしく声を掛けられた。


「あ、リュウキーこっちだよー」


「シリカ、先に来ていたんだね」


「シリカだけじゃねえよ。よう!リュウキ久しぶりだなー。怪我は大丈夫か?」


「ロドメル!久しぶり!ああ何とか無事だよ」


「リュウキ君元気ー?テレビ出れたの凄く羨ましいなー。どうだった?」


「緊張しっぱなしだっただけだよ。エマ」


「怪我の経過も順調そうで何よりだな元気になったリュウキを見る為に今日は来たからな」


「ユウゴ、お前のおかげでもあるからな」


そうして会話に花を咲かせた。


「そういえば、あの事件で学校とかはすごい被害を受けてたけど他の地域はそれ程でもないんだな」


「ああ、それはスヴァールクスだったか、奴らの攻撃がやけに限定的だったらしいんだ。だから学校周辺は大きな被害を受けたが、それ以外の場所はそうでもないんだよ。テレビとかでもよく騒がれていたけど、彼らには何か目的があったんじゃないかってね」


「そう...なんだ....」


俺はユウゴの言葉に返事をするのがやっとだったが悟られる訳には行かなかったのでそのままやり過ごした。そしてそのまま楽しい時間は過ぎて夕方になりお開きの時間になった。


「皆んな、今日はありがとう楽しかったよ」


「.......リュウキお前本当に大丈夫か?やっぱり今日のお前は何処か変だったぞ」


「ロドメル君もそう思う?私も感じたわ。上手く説明できないけど、何かいつもと違ったわ」


そう言ったのはロドメルとシリカだった。


「なあ、何か悩みがあるなら言ってくれよ。俺たち、親友じゃねえか。何でも聞いてやるからよ」


俺は心底いい友人を持ったと感じて観念して全てを話す事にした。














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