舞台
舞台が整ったと、彼、或いは彼女は思った。
整えるまでにどれほど時間を要したかは分からない。途方もない時間を要した気もするが、終わってみれば一瞬だったような気もする。
うまく出来たかは分からない。ただ、自分好みには出来たように思う。
だから後は勝手に評価してくれればいい。
彼、或いは彼女は、コレによって自身の評価がどうなろうとも知った事ではなかった。
この舞台が楽しいものになればそれでいい。
魔王となった彼女がどういう結末を迎えるのか、そこさえ見届けられたならそれで良い。
世界を滅ぼせる力を持っているにも関わらず、ナマケモノのように怠惰で、ガンジーよりも平和主義者で、スティーブ・ジョブズのような創造性もない彼女。
世界に介入してまで、魔王である事を意識付け、義務付けてきた彼女の行末はどうなるのか。
魔王として世界を滅ぼすのか、それともまた違った結末を見せるのか。
力を持っているにも関わらず怠惰であり、自己中心的な癖に流されやすく、情がある癖に自身に害があるなら容赦無く切り捨てる。
力を取るのか、怠惰を取るのか、自己を取るのか、他者を取るのか、情を取るのか、それとも全てを切り捨ててしまうのか。
魔王が滅ぼす舞台も、魔王を滅ぼす舞台も整った。
さぁ、最終章といこうじゃないか。
彼、或いは彼女は不敵に笑う。
彼、或いは彼女にとって、世界は趣味と実益を兼ねたゲームでしかなかった。




