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魔族

ベルフェルは天を仰いだ。


目に映る範囲には何もなかったが、そこには何かがあるという核心に似た予感が存在していた。


「…」


予感に導かれるよう万里眼を発動させてみると、そこには頭を抱えたくなるモノが存在していた。


張りぼての魔王城がある遥か上空、世界の中心とも言えるそこには、魔王がいた。


極寒の中、裸で放り出されたような悪寒と恐怖を覚えたてものの、それ以上にマグマのように憎悪と憎しみがグツグツと煮えたぎる。


誕生した瞬間から分かっていた事だが、ベルフェルはたった今、魔王を滅ぼさなければならない敵だと、本能から理解した。


『ベルフェル殿』

「会議を開く準備をしろ」


同じ心情を抱いたであろう、念話の主と周囲に向けてベルフェルは言葉を発する。


10日前に行った会議をまた開くという事実に辟易したが、10日前に開いたからこそ召集は速やかに行われるだろうとベルフェルは予想した。


そして、10日前にあらゆる案を出し尽くしたからこそ、今回は核心的な案が出るとも予測した。


ベルフェルは10日前には使えなかった勇者という切り札を持ち、人族は奇跡を確実に起こす聖女を保有している。


魔王は更にとんでもない化物に成ったが、どうにもできない事はなさそうだった。





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