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魔王木陰玉座に腰を降ろす

私が魔王を実行した事によって人族軍の兵士は全滅し、長らく争い合っていたアルミリア領土は魔族が手に入れる事となった。


そしてアルミリアには、その事を主張するかのように巨大な城が建てられた。


耐久性に耐震性など色々と不安になる爆速での建設だったが、見た目だけは、魔王城といって差し支えない程、禍々しく趣味の悪い城は完成した。


みんな魔王城って言ってるし、ここが新たな魔王城なのだろう。


旧魔王城は私が更地にしちゃったからね。てか、こんな速度で建てられるなら、私が壊した魔王城もさっさと建て直せたんじゃない?


素朴な疑問が浮かんだけど、魔族の私に対する忠誠心は劇的に低いので、あっ察しって事で、これ以上考えるのはやめておいた。



あと、一応言っておきますけどこの場所、旧魔王城と違って勇者が簡単に到達できます。


人族と魔族の最前線だったので、ほぼ目の前に軍事大国もあります。


そんな所に魔王城。

しかもトラップとか一切なしの直通で、玉座まで来ることが出来ます。


魔族は馬鹿なのかな?


玉座に座ってたら、勇者が来ちゃうじゃん。

大量に武器を持った兵士が来ちゃうじゃん。

てか、玉座とか用意されたら、座りたくなっちゃうじゃん。


て事で私は今、完成した魔王城の玉座に魔王らしいポーズで腰掛けていた。


魔王城について私がやたらと詳しいのは、しっかりと内見を自分の足で終わらせていたからだった。


魔王形態にはもうならん。とか息巻いていた癖に立派に魔王形態です。


そして私の目の前には、四天王である、左からベリアル、ベリルト、ベリエル、ベルフェルの姿があった。


顔と名前はバッチリ一致している。

なぜなら、鑑定を使ったからだ。


使わなきゃ分かる訳がない。

色々と違うんだろうけど、家に出たゴキブリ4体を見分けられるかって話。


私には無理だし、見分ける事に興味もない。四天王は私にとって、まさにゴキブリ以外の存在だった。


四天王なのに、酷い扱い。

でも、魔王って部下への当たり強めだし、魔王らしくはあるよね。


「玉座の座り心地は如何でございましょう?」

ベリルトが言う。

「悪くない」

「魔王様が喜ばれるよう、人族の骨で組み上げ、人族の髪を編み込んであります」

「ふむ」


えっ~…。

ちょっと待って下さいよ。

それは、さすがに気持ち悪い。


どっかりと腰をおろしていた私は、腰と背中をちょっぴり浮かせる。


学生時代は一秒とて耐えられなかった空気椅子も、魔王の肉体ならあら不思議。後百時間は耐えられる気がした。


「食事の準備も出来ております」

ベルフェルが言う。

「褒美だ貴様が全て食え。好物なのであろ?」


なんの褒美かは知らないけど、取り敢えずそう言っておいた。


だってこいつの好物、脳と心臓だもん。

そんの奴が用意した食事とか、無理オブ無理。自分で消費してどうぞ。


「ははっ。ありがたきお言葉」

「さて、他に何か用がある者はいるか?いないのであれば失せろ。我は忙しい」


滅茶苦茶暇だからここにいるんだけど、暇だからって、四天王の相手はしたくない。


暇の極地だったとしても、上司と酒を飲みに行くとか嫌でしょ?こいつ等は部下だけど、私は部下の気持ちが分かる優しい上司なのだ。


飲み会の経験なんて、一回もないけどね。

私は新人歓迎会をバックレた女なのだ。

そりゃ、社内ニートにもなりますわ。反省。


「はっ。それでは失礼します」

私が反省していると、四天王は次々と姿を消していった。

四天王の中でベリアルだけは転移を覚えていないのだが、他と合わせるようにきちんと姿は消していた。


透壁のスキルを使う事で、見えないよう立ち回っている。


見えない壁とはうまく言ったものだ。こいつ、女風呂とか覗いてないだろうな?



「ふぅ…」


四天王が完全にいなくなり、私は息を付く。


魔王城が完成し、格好いい玉座もあったからなんとなく座り心地を確かめに現れたらのだけど、なんで四天王が勢揃いしたのかな?


私、誰もいないタイミングをちゃんと見計らったよ?


魔王が座ったら、警報でも届くシステムなのかな?


まぁ、いいや。

玉座の座り心地は良かったけど、素材が素材なので、ここに座る事は二度とない。


勇者がハローしにくる前に、おいとまするとしよう。


あっ、でも、アルミリア攻略を魔王としては成功したわけだけど、勇者(仮)として失敗した私は、どうすべきだろう?


(仮)だから、気にする必要はないっちゃないんだろうけど、そこそこの時間を旅してきて何もしなかったら、エルの立場が危うくなるかも。


エフからは滅茶苦茶お金も受け取っちゃってるし、純粋にエルには幸せな人生を歩んで貰いたい気持ちもある。


長年共に旅をしていれば、情もわくというものです。


旅なんてしてないだろって?


なら、長年寝食を共にしたって、言い換えておく。友達の未来を見捨てられる程、私は人間をやめてはいないのだ。


今の姿じゃ、説得力皆無だけどね。

誰がどう見ても、人間やめた魔王ですもの。



魔王城ぶっ壊すか。

こんな所にあっても邪魔だもん。



うん。我ながらいいアイデアなんじゃないかな。


次回、魔王城攻略。

なんてね。



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