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魔王の出立


転移は行った事のある場所にしか行けなかったり、レベルによって移動距離に制限があるのだが、私が手に入れた転移は、鑑定と同じチートで限界突破している為、世界中ありとあらゆる場所に移動する事が可能だった。


知らない場所に移動とはこれ如何にって感じなのだが、兎に角移動出来るのである。


した事ないから分からないし、する気もないから真実かどうか分かる事はないけど、猫が可愛いという事くらい確定的だった


なんでする気がないのかって?

だって、知らない所とか怖いじゃん。


いや、でも、ここより怖い場所なんてあるのかな?

私は辺りを見渡した。


何もない荒野。荒れた野よりも荒れている。地面かは炎や氷が生え、空からは雷が降り注ぎ嵐が巻き起こっている。


冷静にやべぇなこの場所。

人が住む環境じゃない。そんな環境に変えたのは、八割方私なんだけどね。


でもあれじゃん。自分が汚した汚部屋は人から見れば住めたもんじゃないけど、当人にとっては住心地が良かったりするし、ようはそういう感じ。


…この場所に住心地なんてないけど。だって外だし。

外、なんだよなぁ。


今まであれば、クレーターの中心にあったもっこり部分が自分の場所とも言えなくなかったけど、それもなくなってしまった以上、クレーターの中心にいる変なヤツに私は成り下がってしまっている。


しかも私、魔族にめっちゃ嫌われてるから、気分的には206号室に住んでる早坂さんみたいな感じ。自分の部屋だけじゃなく、外にまでゴミを運んできているは、突然奇声を挙げたりでアパートの住人は迷惑していた。


ちな、これは友達から聞いた話なので、早坂さんが誰なのか私は知らない。


『木陰ちゃん、どうして出掛けて1秒で戻ってきているのですか?』

「いや、いきなりテレビで見てた人が目の前に現れたらビックリするでしょ?」


シーちゃんに格好良く宣言した私、実はシーちゃんの言う通り1秒で引き返してきていた。


万里眼で色々見てたとはいえ、いざ第一村人に出会ったら、何をしゃべったらいいのか分からなかったんです。


鑑定で情報が開示されているとはいえ、初対面の人といきなり話せますかって事よ。


私には無理だね。


『では、こういうのは如何でしょう。木陰ちゃんは今から面接官で、人々に面接をしに行く。鑑定結果はいわば精度の良い履歴書です』

「面接か。それはちょっと面白そう」

『はい。面接であれば恐れる事はないでしょう?』

「うん」

 

面接は得意だ。

私が得意なのはするよりされる方だけど、実は面接官側のシュミレーションも結構やっていたりする。


敵を知り己を知るのが、百戦危うからずって言うからね。


『では、改めて行ってらっしゃい』

「行ってきます」


私は改めて転移のスキルを発動させた。



転移先に選んだのはさっきとは異なる人族の村。万里眼と鑑定による事前の研究では、何の見所も特産もない、辺鄙でありながらも比較的平和な村である。


こんな美少女が突然現れたなら、男達の平和が脅かされてしまうかもしれないけどね。


人族の村を訪れる以上、私は当然のように醜い化物から絶世の美少女に変身をしていた。


「うわっ、びっくりした」


早速私の美貌に驚いた者が一人。では、冷静に面接と、洒落込みましょうか。


私は声のした方向を振り返った。


振り返った先には、普通のおっさんが立っていた。

この村の人物は大体鑑定したと思うけど、おっさんに記憶のリソースを割く趣味はないので、1ミリも記憶にはない。


なので、履歴書を拝見させて頂きます。


ベンズ・ヴァルカ

村人


レベル5

HP13

MP0

TP12


力6

魔力0

素早さ9

防御力4

器用さ45


女子とまともに会話する事が出来ないので、足が悪い振りをしてぶつかったりしている。最近女性人に気付かれ始め、新たな作戦を考えている。

村で一番嫌われているが、本人はそこまで嫌われてはいないと考えている。


あっ、駄目なの引いたっぽい。


駅でやたらとぶつかってくるおっさんがいたけど、こいつと同じ思考か?純粋に気持ち悪いので、貴方はサイレント落選です。


お祈りメールを送る時間も勿体ない。


私は第一村人から踵を返して、第二村人を探す事にした。やっぱり最初に採用するなら可愛い女の子だよね。


「あら、村じゃ見かけない、えらいべっぴんさんだねぇ」

「こ、ここんにちは」


畑仕事をしていた恰幅の良いおばちゃんに話し掛けられ、私は冷静に挨拶を返した。


挨拶も終わった所で、履歴書を見せて貰いますね


アローラ・キャロライン

村人


レベル7

HP18

MP0

TP32


力12

魔力0

素早さ4

防御力14

器用さ99


村で開かれる井戸端会議の長。自分が知らない事は村にないと自負し、日々噂を探っている。清々しい雰囲気と性格をしていそうだが、ねちっこく執念深い。常に話の中心にいないと気が済まず、自分より目立つ存在はとことん追い詰める。村一番の嫌われ者。


ハズレ。

完全にブラック社員になるやつ。

採用は見送らせて頂きます。



「こんにちは。何処から来たんだい?」

「あの、えっと、お疲れ様でした!」


私は頭を下げ、転移を発動させた。

フランクエフの村、名前に恥じない人材はかりを揃えているのね。


次に行く村はマーチにしようかな。

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