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49歳  作者: 花水木
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誕生から保育園期

49歳、女、既婚。

その辺にいるおばさんかもしれない。

でも、ここに至るまでの49年間、半端じゃなかった。

もしかしたら、これからも波乱はあるのか?

それは誰にも分からない・・・・


誕生から保育園期まで

父、母、兄、そして末っ子妹として私は誕生した。

父は若い頃から、怠惰で定職につかない人だった。

しかも、酒、博打、女の三拍子でどうしようもない人間だった。

だって、私のミルク代も酒にかえていたくらいなのだから。

母は、家計を切り盛りすべく、家で下宿屋を営んでいた。

12人くらい店子がいただろうか?ほとんどが社会人だった。

朝4時から朝食の支度、後片付け、育児、家事、買い物、夕飯の支度、後片付けなどなど、母が座っているのを見たことがなかった。

母子家庭にしたくなかっただけの理由で離婚をしなかった母は、父はいるだけの人、そう思っていた。

でも、深夜、父に体を求められればセックスをする。

その頃の私はセックスが何が分からなかったから、何やってんだろ位の気持ちだったけど、結局は男と女だったのね、と後になって分かる。

母はとにかく躾に厳しい人で、私が膝を崩そうならば、鉄拳がとんできた。

そして2歳から日本舞踊を習わされて、気がついたときにはほぼ習慣化していた。

母は「理想の娘」にするべく、私にたくさんのことを課してきた、それも躾という名の暴力のもとで。

だから、私は母の顔色をうかがって、母が期待する「娘」をずーっと演じてきた。

母が私の中で揺るぎない絶対的な存在に、そして私は個のない「娘」になっていった。


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