僕が誇る有象無象【3】
初めまして。
手を止めていただき有難うございます。
我ながらリアル感を出すことができたのではないかなと思います。
貴方の暇を少しでも埋められたら幸いです。
『恋とは、特定の相手のことを好きだと感じ、大切に思ったり、一緒にいたいと思う感情』
と某情報提供サイトに書いてある。恋とは、何なんだろうか。お分かりだろう。恋について考えると、給食のメニューで一喜一憂していた頃のような頭になってしまう。そのくらい私にとっては分かりにくく幼稚なものなのだ。
正直言うと、私自身結構な恋愛体質だと思う。漢字を並べればそれっぽいが、非常にちょろいだけである。だが、すぐに好きになってしまう訳ではない。好きなのかな?の3歩くらい前をずっと彷徨うようになるのだ。
そこからやりとりを始め、私のことを好きになって貰おうと努める。そして好きになったことを察してしまうとそれで満足してしまう。
ああ、自分で文字を入力していて嫌になってくる。あまりに塵すぎる。後で謝罪せねば。
話を戻そう。だからという訳ではないが、好きになってもらおうとしている時は多少は猫を被る。
それにこれは自分から誰かには絶対言えないが、私はその辺の人よりも相手の感情を汲み取ったり成り切るのが少し上手い。多分。だから相手が話しやすそうな文で合わせたりもしていた。
だがある日、私のありのままを良いと言ってくれる人と出会った。飾っても被っても合わせてもいない素の私を良いと言ってくれたのは19歳の女の子だった。
カフェのバイトで出会ったその子は19歳というにはあまりに大人だった。きっと頭が良くて非常に頭がキレるタイプだと話していくうちに分かった。そしてどこか考え方が僕と似ていると思う点もあった。気付けば気になっていたんだろう。5年も付き合っている彼氏がいるから好きにはなってはいけなかったが、「付き合うならこういう人が良いな」とやけにあっさり思った。
バイト中は正直その子の言葉を聞く為に話していたようなものだった。他愛もない話の中で彼女の口から出てきた「付き合うなら先輩みたいな人がいいです」という言葉にすぐに俺もだよと返したことは忘れることはないだろう。凄く嬉しかったし、凄く切なかったから。
LINEも交換してくれて彼女の言葉を楽しみにしている自分がいる。
多分近いうちに出かける。その時の服装で悩む自分が今私の中にいる。
好きになってはいけないし好きにさせてはいけないとわかっていても。と考える自分がこの文字を入力している。どうか気持ち悪いだなんて思わないで。ここも含めての私だから。なんて無様で滑稽。しかし、きっとこれもまた私の恋だなんて思う自分が夜道でこれを読み返している。
きっとそうなんだろうな、そう思ってるってことは。恋とは、不意に訪れる季節風が街を攫うように人の心をその人で攫っていくものなんだろう。きっと私は彼女に。拙い文はここらで終わりにしよう。
ああ、そうだ、言葉に謝らないと。この文を残すことを贖罪とするから、どうか、ごめん。けどね、恋はまさに晴天の霹靂であり変態そのものなんだ。変えようと思って変えられる、そんな安っぽいものじゃないんだよ。命の形と一緒。
どうか、私が、君という人間に、本気で愛を抱く前に、どうか、どうか、幸せになって下さい。
手の届かない場所で手の届かない幸せを手の内にして。どうか。
最後までお付き合いいただき有難うございました。
どうかお身体にお気をつけて、全力で命を使って下さい。