新しい人生
「あなた、行ってらっしゃい。」
安室ちゃんは3年の全世界ツアーを終えて、アイドルを引退して専業主婦になった。3年間で稼いだお金は3000億円。
「行ってくるです。」
那覇は5年間のメジャー生活を終えて、メジャーリーガーを引退して、日本に帰ってきた。5年間で稼いだお金は1000億円。
「今日から、僕は高校球児になります。」
那覇と安室は18歳になり結婚して、日本に帰ってきた。那覇は高校へ通うことになった。死んだ友達のおれの供養のために。
「今日からお世話になります。那覇です。よろしくお願いします。」
那覇は沖縄高校に転校してきた。
「那覇くん!? 那覇くんじゃないか!?」
「首里くんですか!? 生きていたんですね!?」
高校には昔、沖縄小学校時代に同じ野球チームのメンバーだった首里くんがいた。
「元気だったか?」
「はい。元気です。」
「石垣が知ったら喜ぶぞ!」
「おおー!!! 石垣くんも生きているんですね!」
「西表さんは卒業しちゃった。今はプロ野球選手だ。」
「西表先輩、惜しい人を亡くしました。」
「だから皆、生きてるって。」
那覇は長いアメリカ生活でアメリカンジョークを身に着けていた。
「今日から野球部に入部します。元メジャーリーガーの那覇です。よろしくお願いします。」
那覇は野球部に入部した。
「良く帰って来てくれたな。那覇。」
具志堅監督は健在だった。
「那覇先輩! アメリカでの活躍はずっと見てましたよ!」
後輩の石垣が笑顔で出迎える。
「あの人は今ばっかりです。懐かしいです。」
那覇は沖縄に帰って来てリラックスした気分を楽しんでいた。
「ああ~このまま野球をしないで、海に行って泳ぎたいです。」
「呑気な那覇先輩らしいです。」
「ワッハッハー!」
沖縄高校の野球部が那覇の雰囲気に染まっていく。
「那覇くん! 今の沖縄高校のエースは俺だ! そう簡単にエースの座は渡さないぜ! 奪えるものなら奪ってみろ!」
「あの朱里くん。俺、去年までメジャーリーガーだったんだけど。しかも5年間で226勝した大投手なんですけど。」
とりあえず那覇と首里は投げあうことにした。
プスン。パスン。
「どうだ。これが俺のボールだ!」
「何とも受けごたえが無いです。」
首里のボールに石垣は手応えを感じなかった。
「次は僕の番です。」
ズドーン!
ズドドドドドドー!
ドピュー! ドピュー!
久しぶりに那覇は石垣にキャッチャーミットにボールを投げ込んだ。
「これだ! これが那覇先輩のボールだ!」
こうして那覇はエースの座に返り咲いた。
つづく。




