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代表選考

「や、やめて下さい!?」

 那覇は体育館の裏に連れていかれた。

「殺してやる! 二度と野球のできないようにボコボコにしてやる!」

「生意気なんだよ! 小1の分際で!」

「おまえの性で、俺たちは日本代表に選ばれなかっただろうが!」

 野球の上手な性格の悪い上級生たちである。

「すいません!? すいません!? ごめんなさい!? 許してください!?」

 那覇は殴られたくないので謝るしかない。

「許せるかー! 死ねー! クソッ! チビ!」

 悪い上級生が手を振り上げて、那覇を殴ろうと振り下ろされる。

「やめろ!」

 ピシッ! っと上級生の拳を受け止める男性が現れる。

「ゲッ!? 原コーチ!?」

 現れたのは日本代表のコーチの原コーチであった。

「おまえたちは何をやっているんだ!? 上級生が下級生をいじめてどうするんだ!? そんなことをやっているから、おまえたちは野球が上手でも日本代表に選ばれないんだ!」

 原コーチは熱血指導で有名な熱いコーチである。

「・・・・・・。」

 悪事がバレた上級生たちは、後悔したり、自分は悪くないと心に言い聞かせたり良し悪しのことを考えている。

「那覇!」

「はい。」

「どうしておまえも抵抗しないんだ!」

「え?」

「おまえも野球選手なら、いじめくらい自分で相手を倒せ!」

「ええー!?」

 那覇は思った。怖いから無理ですよと。

「すいません。すいません。ごめんなさい。許してください。」

 しかし、原コーチも怖いので那覇は何も言えないで謝るしかなかった。

「つ、疲れた。」

 那覇の日本代表合宿は疲労困憊の中で終わった、かに見えた。

「那覇、おまえアメリカに行くからパスポートを用意しとけよ。」

「ええー!? なぜ僕が!?」

 全日本代表の長嶋監督からアメリカに行くことを告げられた。

「期待してるぞ! 那覇! おまえのボールでアメリカ人を驚かせてやれ!」

「ええー!? 原コーチまで!?」

 原コーチからも那覇に期待していた。

(任せて下さい! 俺がアメリカでも、メジャーリーガーでも八つ裂きにして見せますよ! ワッハッハー!)

 俺は、那覇の体を使って、自分の夢を叶えるためにまっしぐらだった。日本代表にも選ばれたんだ。きっと俺ならプロ野球選手になれる。そう信じていた。

「どうして僕ばかり、こんな大変な目に合うんだろう。」

 那覇は野球が嫌いになっていた。

 つづく。

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