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小学5年生

「そうかい! 那覇くん! 来年はアメリカでプレーしてくれるんだね! ありがとう! 俺も今年、日本でプレーすることにして良かったよ!」

 那覇は来年はアメリカでプレーしたいとタイガージュニアに伝えた。

「それでアメリカに行くにあたって、エージェントと契約したです。」

「エージェント?」

「どうも! どうも! メロンです!」

 現れたのはスティーブンだった。

「メジャーリーグのスカウトのスティーブンさんが、なぜ日本に!?」

「私と那覇くんはメロン友達なんだ。ねえ。」

「はいです。スティーブンさんは僕が入院する度にメロンを持ってきてくれる親切なおじさんなので、球団との交渉はお任せしたです。」

 那覇の代理人はスティーブンであった。

「でも、那覇くん。」

「なんですか?」

「妻同伴の許可と住まいの準備というのは、何なのかな? まだ小学5年生なんだし。」

「それは絶対条件です!」

 強い口調で言い切る那覇。

「それに妻をアイドルと売り出して成功させるという条項も少し変わっていないかい?」

「それも絶対条件です! 契約金は少なくてもいいですけど、安室ちゃんのアイドルになりたいという夢は叶えてあげたいです!」

 那覇は安室のために海を渡りアメリカに行く。

「アメリカなら日本の3倍の人口がいるから、簡単に売れっ子アイドルになれるよ。日本とはギャラが一桁違うぐらいアメリカのアイドルは儲かるぜ。」

「良かったです。」

「それに俺と那覇くんが全米を感動と熱狂の渦にすることは確実だから、奥さんだけでなく那覇くんも少年野球界のトップアイドルになるよ。」

 既にタイガージュニアはアメリカの少年野球界では英雄である。

「本当ですか!? じゃあ、女の子にモテモテですね! やったですー!」

 浮気を考える那覇。

「ではでは、沖縄大会も、全国大会も終わったので、世界大会のあるアメリカに行くです。」

「那覇くん、ここからは俺たちはライバルだ。決勝戦で、また会おう。小学6年生になったらアメリカで一緒にプレーしようね。日本のプロ野球より、アメリカでメジャーリーガーになった方が給料は10倍はあるよ。」

「10倍!? お金好きの安室ちゃんが知ったら、あっさり日本を捨ててアメリカに住むと言い出すです。」

「良い彼女を持ったね。」

「本当です。しっかり者の器量良しです。」

 那覇の彼女の安室はお金が大好きな女の子だった。

「それでは世界大会で会いましょうです。」

 那覇は世界大会に旅立った。

 つづく。

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