命日に夢が共鳴する
「デニーくん、安らかに成仏するです。」
那覇はデニーの命日にお墓参りするのが毎年の恒例だった。
(いい心がけだ。)
俺も那覇の墓参りには感謝する。
「デニーくんのいない世界は、いじめっ子が1人減って、那覇くんが平和に過ごせます。死んでくれてありがとう。」
那覇は安室と一緒にお墓参りデートをしていた。
(ふざけるな!?)
でも俺のお墓参りを利用したデートだと知り憤慨する。
「安室ちゃん、僕の夢は安室ちゃんと一緒に沖縄で平和に暮らすことです。」
「私も。那覇くんと沖縄で一緒に平和に暮らしたい。」
那覇と安室は相思相愛だった。
(熱い!? なんだこいつらは!? 人の墓の前で愛を語るな!? クソッ!? 勝手にしろ!?)
俺は不貞腐れた。
「お金なんかなくても、沖縄で自給自足と隣の家に塩と醤油を貰いに行けば、なんとか生きていけますよ。沖縄の人は皆優しいです。」
沖縄の人は沖縄タイムで自由に生きていて穏やかです。
「ダメよ! お金は必要よ! だから那覇くんは、私との結婚のために、プロ野球選手になって、お金を稼いでちょうだい!」
守銭奴な安室。
「はい! 安室ちゃんのために、プロ野球選手になって、1億円プレイヤーになってみせるです!」
安室のためとはいえ、俺と同じく那覇の夢はプロ野球選手になることになった。
(おおー!? なんだ!? 幽霊なのに体に力が漲ってくる!? これは俺と那覇の夢が一つになって共鳴しているというのか!?)
俺と那覇の夢が同じになったことで、より強いエネルギーが湧いてくる。
「じゃあ、私は那覇くんとの将来のためにアルバイトしてくるね。」
ちなみに安室は、まだ小学3年生である。
「アルバイト? なんのバイトですか?」
「マッチ売りの少女。」
「マッチ売り!?」
「冗談よ。遊園地で着ぐるみを着て踊るの。これもアイドルになるための修行なの。じゃあね。那覇くん。」
「安室ちゃん、がんばってね。」
安室は走って去って行った。
「勉強してもお金にならないけど、プロ野球選手やアイドルはお金になります。ピアノもゴルフももっとプロになるのは狭き門です。いや~、お金を稼ぐって大変だな。」
もちろん那覇も小学3年生。
「こんなペースで安室ちゃんと結婚するところまで行けるのだろうか?」
話が膨らんで7万7000字で小学3年生。2を書きたくないから、10万字で終えなければ!
つづく。




