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ウッズの新打法

「ゲームセット!」

 日本代表は1119対1115で辛くもカナダ代表に勝った。最後はリリーフした函館がカナダ打線を抑えた。

「いよいよ次は決勝戦だ。みんな、気を抜かないで、ゆっくり休め。」

「はい。」

 長嶋監督のありがたいお言葉であった。

「那覇くん、この後のアメリカとベネズエラの試合を見ていかないかい?」

「敵情視察ですね。いいですよ。」

 那覇は千代田と一緒にアメリカ戦を見て帰ることにした。

「プレイボール!」

 アメリカの試合が始まった。

「ピッチャーはワシントンか。またデッドボール連発だろうな。」

「そうですね。危険なピッチャーです。」

 アメリカ代表のワシントンは相手にデッドボールをぶつけて勝ち上がっていくファイターだった。

「ストライク! バッター! アウト! チェンジ!」

 ワシントンは三者三振で1回の表の攻撃を終えた。

「いよいよウッズくんの登場です。」

 アメリカはノーアウト満塁で4番のタイガージュニアの出番である。

「ふっふっふ。那覇くん、俺の試合を見に来たんだね。いいだろう。俺の那覇くんのバーン・ボール対策に炎をバットで消し去り続けた特訓の成果を見せてあげよう!」

 タイガージュニアは那覇のバーン・ボールを打つために秘密の特訓を行っていた。

「フン!」

 ベネズエラのピッチャーがタイガージュニアに第一球を投げる。

「見るがいい! これが俺のディジェスチョン打法だ!」

 高速のバットスイングで那覇の炎を消す消化打法をタイガージュニアは習得していた。

「見たくても見えないバットスイングです!?」

 那覇が肉眼でタイガージュニアのバットを見ることは不可能であった。

「ホームラン! 満塁ホームラン!」

「おお!」

 球場のアメリカ代表のファンが英雄タイガージュニアの活躍を称える。

「那覇くん!? 俺たちはあんな化け物と戦わなくてはいけないのか!?」

「毎年レベルアップしてるです!? ウッズくんは!?」

 千代田と那覇は自分たちが決勝戦で戦う化け物を見て食欲がなくなった。

「コーラでも飲んで帰ろう。飲まないとやってられない。」

「お酒は飲めませんから、やっぱりコーラですね。」

 こうして千代田と那覇はアメリカのコーラ・バーに消えていった。

 つづく。

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