日米の友情
「那覇くん。」
「ギャアアアアアアー！？ ミイラ男！？」
ミイラ男が現れた。
「俺だよ。俺。タイガー・ウッズだよ。」
「ウッズくん！？」
那覇の前に現れたアメリカ少年野球最高打者タイガー・ウッズが現れた。
「その姿はどうしたんですか！？」
現れたタイガージュニアは全身に包帯を巻いていた。
「情けない話だが、いじめられたよ。」
「え！？ ウッズくんがいじめられっ子！？」
なんとタイガージュニアの傷はいじめによるものだった。
「あれはアメリカ代表の合宿が始まった頃だった。」
タイガージュニアが出来事を話始める。
「タイガー！ タイガー！ タイガー！」
アメリカ代表の合宿は、英雄タイガージュニアを見るために大勢の観客が訪れていた。
「チッ、何が英雄だ。面白くないな。」
アメリカ代表の新人ワシントンは面白くなかった。
「おい、ワシントン。タイガージュニアに投げてくれ。」
「はい。」
ワシントンは、タイガージュニアのバッティングピッチャーをやることになった。
「よし！ これで俺がタイガージュニアを抑えれば、今日から英雄は俺のものだ！」
ワシントンは野心に燃えた。
「死ね！ タイガージュニア！」
ワシントンは第一球を投げた。
カキーン！
「なんだと！？」
タイガージュニアは、簡単にワシントンのボールを場外ホームランした。
「おおー！ タイガー！ タイガー！ タイガー！」
燃え上がる球場のお客さんの大歓声。
「おまえのボールなんか、俺の日本にいる俺のライバルには敵わない。」
タイガージュニアは友達になった那覇のことを言っている。
「クソッ！ クソッ！ クソッ！」
自分のボールがタイガージュニアに通用しないと知ったワシントンは悔しがっていた。
「この俺が１番偉いんだー！！！」
自分が一番優秀なピッチャーと自信があったワシントンのプライドは打ち砕かれた。
「こいつがいなくなれば！ 俺がナンバー１だ！！！」
他人が自分より優れていることを認めることができないワシントン。
「殺してやる！」
ワシントンは殺意のこもった一球を投げた。
ボキーン！
「すいません。」
「だ、大丈夫だ。」
ワシントンの投げたボールはタイガージュニアに命中した。何事も無かったように振る舞うタイガージュニア。
「カッコつけやがって！」
ボキーン！
ボキーン！
ボキーン！
次のボールも、そのまた次のボールも、そのまたのまたの次のボールもワシントンはタイガージュニアに、わざとボールをぶつけた。
「ギャアアアアアアー！？」
３００球くらいを超えた所、ついにタイガージュニアがバタっと倒れた。
「という話さ。」
「そこまでになるまでに、やめようとは思わんかったんですか？」
タイガージュニアの話が終わり、那覇は飽きれる。
「俺はアメリカの英雄だ。例え相手がわざとボールをぶつけようとも逃げる訳にはいかない。俺が逃げた時は、アメリカが逃げたことになるからだ。」
「カッコイイです！」
那覇はタイガージュニアの話に感動した。
「那覇くん・・・・・・本当は悔しいんだ。俺の仇を討ってくれ！」
「すいません！ すいません！ ごめんなさい！ 許してください！」
ケンカは苦手な那覇であった。
（任せておけ！ 友の仇は俺が討つ！ おまえの悔しさも俺が晴らしてやるぜ！）
俺は友達の無念を晴らすことを決意した。
つづく。
