不死鳥の如く
「人造ロボット集団!?」
鹿児島代表チームは改造人間の集まりだった。
「那覇! おまえたちに勝ち目はない! 今から俺たちに100点を取られるんだ! 覚悟しろ!」
桜島は9回の1イニングだけで、100点を取ると豪語する。
「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!」
不思議と那覇は9回でも全力で謝れていた。
(俺から100点取るだと? ふざけるな! 俺は100点取られるために幽霊をやっているんじゃねえんだよー!!!!!!!)
俺の中で何かが覚醒する。
「な、那覇先輩が燃えている!?」
那覇の周囲に炎のオーラが見える。
(俺は幽霊! 俺が疲れる訳がねえ! 俺は何度でも何度でも甦ってみせる!)
那覇の闘志は炎になり、炎の不死鳥フェニックスのように燃え上がる。
「なんだ!? こいつは化け物か!?」
「・・・・・・。」
(改造人間に化け物呼ばれるいわれはない!)
ここに改造人間と幽霊の頂上決戦が始まる。
(くらえ! 桜島! これが俺のフェニックス・ボールだ!)
「ひ、火の鳥だと!?」
那覇の投げた球が加速しバーン・ボールの焼き焦げから、更に速度を増して火の鳥を描きながら飛んでいく。
ズズズズズズズドーン!
「ストライク!」
那覇のフェニックス・ボールはキャッチャーミットに優しく羽を休めた。
(どうだ! みたか! スタミナ切れ? 那覇の体力が無くなって気絶しているなら、体を借りて俺が投げればいいだけだ!)
「・・・・・・。」
那覇は疲れ切って気絶していた。今、那覇の体を動かしているのは俺の闘志だ。
ズズズズズズズドーン!
ズズズズズズズドーン!
(どうだ! これが俺の実力だ!)
俺はマウンドで躍動する。
「く、くそ!? 那覇は人間だろ!? あいつのスタミナは化け物か!?」
桜島は敵ながら那覇に恐怖した。
「ストライク! バッター! アウト! チェンジ!」
攻守が入れ替わる。
「バター!?」
ベンチにたどり着いた俺は気力を使い果たして気絶して倒れこむ。
「那覇!? 那覇!?」
「ナハナハ!?」
「タンカーだ!? タンカー!?」
那覇はベンチで倒れてしまった。騒然とする沖縄代表チームだった。
つづく。




