鹿児島の謎
「よし! 今度はうちの攻撃の番だ! おまえたちの殺人打線の恐ろしさを見せてやれ!」
「おお!」
具志堅監督は鹿児島代表チームは打者の桜島のワンマンチームだと思っていた。
「行ってきます!」
「頼んだぞ! 石垣切り込み隊長!」
沖縄代表チームの1番はキャッチャーの石垣くん。
「ただいま!」
「早!?」
石垣は三球三振であっさり帰ってきた。
「あれ? 鹿児島のピッチャーの球。あんなに速かったかな?」
「桜島くんがいるから、チーム全体が鍛え上げられたのかもしれませんね。」
軽く表面の理由で納得する那覇たち沖縄代表チーム。
「ストライク! バッター! アウト!」
(どんなもんだい! 誰にも俺のボールは打たせないぞ!)
桜島は3打席連続三球三振。一度もバットを振らなかった。
「はあ・・・・・・はあ・・・・・・。」
7回まで全力投球を続けてきた那覇はスタミナが切れかかっていた。
「みんな、バッテリーを交換しろ!」
「おお!」
桜島の指示で鹿児島ベンチが慌ただしかった。
「ストライク! バッター! アウト!」
「鹿児島のピッチャーは全然バテないな?」
「西表先輩でもバットに当てるのが精一杯だ!?」
「もう疲れたです。」
8回が終わって0対0。疲労で満身創痍の沖縄代表チーム。
「もういいだろう! 野郎ども! この回で勝負をつけるぞ!」
「おお!」
遂に9回表、鹿児島打線が那覇に襲い掛かる。
「はあ・・・・・・はあ・・・・・・。」
明らかに那覇は疲れ切っていた。
カキーン!
カキーン!
鹿児島打線が連続ヒット。
「4番バッター、桜島くん。」
「那覇! 今日がおまえの命日だ!」
「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!」
疲れ切った那覇は全力で桜島に許しを請う。
「いいだろう! 東京代表も倒したことだし、もう強いチームは残っていない! 俺たちの秘密を教えてやる! 正体はロボットだ!」
「ロボット?」
「そう、俺たち鹿児島代表チームは沖縄におまえたちと練習試合をする時に、謎の病気で沖縄病院に運ばれて選手全員が人造ロボットに改造されたのだ!」
「なんですと!?」
「だからバッテリーを交換すれば、9回でも初回の様に疲れを知らないで動けるのだ! ワッハッハー!」
これが鹿児島代表チームの謎であった。
つづく。




