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「ゲームセット!」

「ありがとうございました!」

 全国大会の一回戦。沖縄代表対北海道代表の試合が終わった。

「ナイス・ゲームだったね! 那覇くん!」

「どこがですか?」

 函館の3点、沖縄の76点で5回コールド試合になった。

「まさか北海道と沖縄の実力の差が、こんなにもあるなんて!? 来年は負けないからな! うえ~ん!」

「おいおい、泣くなよ。また来年も会おうね。バイバイ。」

 函館は泣きながら去って行った。決して函館は悪い選手ではない。ただ那覇が規格外の設定なだけである。泣くのも小学生だから仕方がない。負けた北海道代表チームは飛行機に乗って帰国するだろう。

「一回戦、突破です。」

 沖縄代表チームは無事に一回戦を突破した。

「これで今年、うちのライバルになりそうな強豪は、東京、鹿児島、大阪だけだな。」

「まあ、全てのライバル学校と戦うことになるのが、青春モノの宿命ですね。」

 アニメでもドラマでも、お約束の展開が予想された。

「そうとは限らないぞ。」

「千代田くん!?」

 東京代表の千代田くんが現れた。

「どういうことですか?」

「うちは負けたよ。」

「ええー!? もう試合が終わったんですか!? 僕たちの試合がついさっき終わったばかりなのに!?」

「そこかい? 驚くのは?」

 なんと優勝候補筆頭の東京代表が負けたという。

「東京が負けたんですか!?」

「そうだ! その通りだ! ワッハッハー!」

「桜島くん!?」

 そこに鹿児島代表チームの桜島が現れた。

「俺たち鹿児島代表チームが東京チームを倒したのだ! ワッハッハー!」

「なんですと!?」

 東京は鹿児島に負けたのだった。

「俺の音速ボールが鹿児島シロクマ打線には通用しなかったんだ!?」

「ええー!? 千代田くんのボールが打たれたですって!?」

「その通りだ! 俺たち鹿児島代表チームの協力打線の前に千代田のボールなど止まって見えたわ! ワッハッハー!」

 笑うだけ笑って桜島は去って行く。

「気をつけろ。那覇くん。桜島の腕に気をつけるんだ!?」

「桜島くんの腕?」

「あの腕はロボットだからオート機能があり全自動でボールを捉えてくるんだ。」

「なんですって!? それって人間じゃなくてロボットじゃないですか!? ひょえー!?」

 話を聞けば聞くほど、アンドロイド桜島のことが怖くなった。

「那覇くん! 僕の仇を取ってくれ!」

「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!」

 那覇は怖気づいて千代田の頼みから逃げることしか思わないので全力で謝った。

(任せておけ! 千代田! おまえの仇は俺が取る!)

 俺は誰が相手でも全力で倒すだけだ。

 つづく。

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