普天間小学校
「ここが予選をやっている球場か?」
那覇たちは沖縄予選の試合をやっている球場にやって来た。
「ああー!? 見てください! 先輩方!」
「なんじゃこりゃー!?」
「球場に誰もいないです。」
「そこじゃありません。」
球場のスコアボードを見ると普天間小学校が5回で39対0でコールド勝ちしていて、球場には誰もいなかった。
「普天間小学校!? そんな学校あったっけ?」
「あれですよ!? 米軍基地の側の小学校ですよ!?」
「まさか!? タイガージュニアみたいな奴ばっかり揃っているんじゃないだろうな!?」
那覇たちは見えない敵、普天間小学校に恐怖を感じた。
「ああ~来るだけ損でした。」
解散した那覇はお家に向かっていた。
「ああ! 安室ちゃんです!」
家が近所なので安室ちゃんを見かけた。
「安室ちゃん。一緒に変えるです。」
「な、那覇くん!?」
那覇の登場に驚く安室。
「安室ちゃん、一緒におままごとをしようよ。」
「おままごと? 何を子供みたいなことを言っているの。」
「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!?」
今までは安室の方が積極的におままごとをしてきたのに、今日の安室は冷たい態度だった。
「おままごとなんて、那覇くんって、子供ね。」
「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!」
少し見ないうちに安室は大人になっていた。ちなみに安室も、まだ小学2年生。
「いったい何があったんですか!? 安室ちゃん!?」
「那覇くん! 那覇くんがいけないのよ!」
「ええー!? 僕が!?」
「そうよ! 那覇くんが私と遊んでくれないから、私も新しいことを始めたのよ! 新しい友達もできたしね。」
「なんですと!? 安室ちゃんがグレてしまった!? 安室ちゃんがヤンキーになってしまったです!?」
那覇の想像では、安室の友達はコンビニの前で座っている様な、怖いお兄さんとお姉さんである。
「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!」
「もう手遅れよ! 私は自分の力でお金持ちになってみせる! お金が無いからって横暴な男の言いなりの奴隷専業主婦にはならないわ!」
安室、自立することを宣言する。これでも安室ちゃんは小学2年生である。
「ということで、さようなら。私も忙しいの。」
安室は那覇の前から去って行った。
「ガーン! 安室ちゃんにフラれたです。これも全て野球の性です。野球なんか嫌いだ。ウルウル。」
那覇は人生初の失恋を味合う。
つづく。




