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桜島

「よし。今日は接待攻撃はなしの鹿児島戦だ。相手の隊長は万全だから気を引き締めていけ。」

「はい。」

 いよいよ鹿児島代表チームと練習試合である。

「勝負だ! 西表! 南国同士どちらのチームが暑いか勝負しようじゃないか!」

「出たな! 桜島! 今度こそおまえをサンゴ礁に沈めてやる!」

 西表先輩は鹿児島代表チームの桜島くんと知り合いのようだった。

「西表先輩、彼は知り合いですか?」

「桜島は俺のライバル・・・・・・だった。」

「なぜに過去形を強調ですか!?」

「俺は昨年はアメリカリーグで、タイガージュニアに次ぎ87本塁打を放った。それに全国大会優勝。桜島は東京代表の千代田の音速ボールを打てないで一回戦負け。あっという間に俺の方が上位種になったのだ! ワッハッハー!」

 すごく上機嫌な西表先輩。

「何を!? それは去年のことだ! それまではずっと俺の方が、おまえよりホームランを打っていたんだからな!」

「何とでも言え。この世界は結果が全てだ。」

「望むところだ! おまえとこのエースの那覇はどいつだ!?」

「こいつだ。」

「なに!? こんなチビが、あんな剛速球を投げるのか!?」

 桜島は那覇を睨みつける。

「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!」

「なんなんだ!? このオーラの無さは!?」

 低姿勢で全力で謝る那覇。

「これが那覇先輩の相手のやる気をなくす、必殺、嘘謝り!? さすが那覇先輩だ!」

 石垣は那覇に憧れていた。

「まあ、いい。俺がおまえの剛速球を打ち砕いてやるから覚悟しておけよ!」 

「ヒイイイイイイイー!?」

 那覇は桜島にビビりまくるのだった。

(ふん、俺のボールを打つだと? 金属バットでも木製バットでも結果は同じだ。俺のボールを打ちたかったらアダマンタイトかオリハルコンでバットを作るんだな。)

 俺は桜島など相手にしていなかった。

「プレイボール!」

 沖縄代表と鹿児島代表チームの試合が始まった。

「あれ? 監督、僕は投げないんでいいんですか?」

「乱打戦。うちと鹿児島代表チームとの打力の差がどれくらいか知りたいんだ。那覇、おまえが投げたら抑えちゃうだろ。」

「すいません! すいません! ごめんなさい! 許してください!」

(そうかい。俺の実力を敵に見せない作戦だな。やるな、オヤジ。)

 俺の父親は具志堅監督である。

「なにー!? 先発が那覇じゃない!? なめやがって!? 鹿児島大噴火打線の恐ろしさを教えてやる!」

 桜島の闘志に火が着いた。アチチチッ。

 つづく。

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