『Background文字。』
ふだん何気なく使っている文字。
その文字に託された風景
俳句を詠むようになって
言葉を選んで使うことを意識するようになり
あらためて日本語の美しさに感動しています。
『きのう降った雪さえも
夢のなかの淡雪のように溶けてしまった。』
(「雪うさぎ」から)
この文章を覚えておいででしょうか?
実は、この文章中に、誤字がありました。
「淡雪」は立春を過ぎて降る雪で
やわらかくすぐ溶けてしまう雪のことでした。
同じ「あわゆき」でも
「沫雪」「泡雪」となると
春を限定しない
泡のようにすぐ消える儚い雪のことだそうです
とすると、文章の風景に似合う文字は
『きのう降った雪さえも
夢のなかの沫雪のように溶けてしまった。』
ということになりまして、、、
(訂正いたしました。)
雪をあらわす言葉にも
たくさん美しい言葉がありました。
「牡丹雪」
春が近づくと
結晶がゆるみ大きな雪片で落ち、
積もっても溶けやすい雪。
「綿雪」
綿を千切ったような大きな雪。
「たびら雪」
降ったかと思えばすぐ消える春の雪。
春の声を聞いてから
冬の忘れ物のように降る
「名残の雪」
雪が泥の垢がついて
雪の白さが薄れていくと
春はそこまで来ています。
ミクロでみると六角の結晶で「六花」と呼ばれる雪。
木の枝のてっぺんにこんもり降り積もる雪は「綿帽子」
お嫁さんが被るそんな衣装もありますね。