41話「頑張れそら君」
「ゆりー、そろそろそら君くるんじゃなーい?」
部屋で本を読んでいた私は、リビングから聞こえてきたお母さんの声に顔をあげる。それと同時にインターホンがなる。
「ゆりー!そら君来たわよー!」
「はーい!」
本を机の上に置いて、部屋から玄関まで向かう。
今日は小学校で肝試し。夏休みには必ずあった行事で、近所に住む卒業生は在校生の招待で一緒に出来るようになっている。
「ゆりお姉ちゃん!いこ!」
玄関には私の登場を待っていたお母さんとそら君が仲良く喋っていた。
「ゆり、そら君の事、幽霊から守ってあげてね」
ふふふっ、と笑うお母さんがなんだか楽しそう。
「別に出ないよ幽霊なんて」
冗談を言ってる風に聞こえた私は、若干呆れたように、苦笑いしながらそら君の頭を撫でる。
「ゆりお姉ちゃん!早くいこ!」
靴を履く私を急かすそら君はその場で足踏みをする。
「いってきまーす」
私の左手がそら君の右手と繋がると、元気良く駆けていくそら君。
「揃いましたかー?」
小学校の前に集合した私達。先生であろう人が3、4人おり、司会を進める先生の後ろには大きな坂がある。 その坂を登っていくと、懐かしい小学校が見えてくる。
「夏休み前に決めた班を覚えてますかー?」
先生の問いかけに低学年の子達が元気良く返事する。3年生であるそら君も一緒に混ざっていた。
ルール説明を他の先生が話してくれるらしい。
「ルール説明をさせていただきます。まず皆で坂を登り校庭に向かいます。 そこからは班行動をしていただきます。1班から回りますが、回る所は班によって違いますので皆さんはぐれないようにお願いします。 ここまで質問等はありますか?」
先生は全体を見渡す。誰1人として挙手する人はいないみたいで先生が話を続ける。
「では紙を配ります。班によって回る所が違うので、回る所を紙に示して置きました。 保護者様にも用意しておきました」
1番後ろにいた私は、後ろ側から見守っていた先生から紙を受け取る。 前にいたそら君と同じ紙のようで、校内の案内図と矢印が薄く見える。
次に懐中電灯が1班に2つずつ渡される。また後ろ側の先生から手渡された私はカチカチと着けたり消したりをする。ちゃんと電池が入っているようだ。
咄嗟に出てきた行動にハッとしてそら君を振り向かせる。
「なぁに――」
「うーらーめーしーや~」
まぁ定番だろ。
「きゃぁぁ!」
えっ、驚く?
坂を登ると懐かしき小学校。
「うわ~、なつーい!」
「なつい?」
手を繋いでいたそら君が私に問いかけてくる。
「懐かしいなーって事だよ」
少し間が空いてからそっかぁと笑うそら君。さては分かってないな。
「それでは1班から回りだして下さい」
1班であろう人達がざわざわしながら校内に入っていく。
「うぅ~、怖くなってきた~」
手を繋いでいたそら君が急に踞り出した。習って私も踞ると、そら君が抱きついてきた。
「え~?そら君、男の癖に怖いの~?」
唸り声を出すそら君の頭を軽く叩きながら煽る。怖いものは怖いの~、だって。可愛いなコノヤロウ。
「行きたくない……」
「え」
「怖いから行きたくない!」
大きい声で言うそら君の言葉に回りもざわざわしだす。先生が駆けつけてきて説得を試みるものの、首を振るだけで何も言わない。 若干服が冷たく感じるのは気のせいにだろうか。否、濡れてるな。
「そら君、頑張ってみよう?ね? 肝試し終わったら花火皆でやるつもりなんだけど、それもやらない?」
先生の問いかけに首を振るだけで、何も言わないそら君。そんなそら君の様子に先生もどうしたものかと唸る。 先生困らせちゃ駄目じゃないか。
「じゃあ、帰るか」
痺れを切らした私がそら君に問いかける。私の言葉に先生は慌て出すが、そんなのお構いなしだ。
「無理ですよ、先生。そら君はこうと決めたら頑なですから。ね?良いんでしょ?帰って」
さっきまで横に振っていた首を縦に振るそら君を見て、勢い良く立つ。
「まぁ、そら君にはまだ早かったって事で」
全くもう、まだまだ赤ちゃんなんだから~、と言って歩き出そうとするが、そら君は固まったように動かない。
「ぼく赤ちゃんじゃないもん!」
目に涙を溜めながら私に反抗してくる。
「え~?そうなの~? じゃあなんでいきなり行きたくないとか行ったの?」
いつもはしゃがんで目線を低くするが、今はそれすらめんどくさい。上から見下ろす私にまた涙が溢れ出た。
「だっ、て……怖い、からっ」
「さっき校内に入っていった1班にも泣いてる子居たけど? そら君より小さかったから1年生かな?」
そら君は未だに涙が出てきている。時々手で拭っているようだ。
「そら君より小さい子が泣きながら行ってるのに、そら君は怖くて泣いて行きたくないって帰っちゃうんだね」
「ちっ、がう……」
涙をポタポタと落としながらも、私の問いかけに答えるそら君。
「……っ、ひっ、グズっ、いく」
「何?」
「肝試し行く!」
良く見たらそら君の目が赤くなっていた。首が痛くなった私は、しゃがんで軽くそら君を見上げながら頭を撫でる。
「ん、頑張ろっ。終わったらアイス買ってあげる」
鼻水を出したまま、そら君は元気良く返事をした。
「次の班お願いしまーす!」
涙も鼻水も引っ込んで落ち着いた頃、私達の班が呼ばれた。私達の班は6班で、前の5班は3分程前に校舎裏を回っていった。
そら君と手を繋いでいた他の人達と一緒に校内に入る。
「うわ~、雰囲気ある~」
左手でそら君と繋がりながら、右手に持つ懐中電灯で中を照らす。
「うぅ~っ」
「アイスが待ってるぞー、頑張れそら君」
私達の班は私を含めて7人のようで、6年生が3人、5年生と4年生と3年生が1人ずつ。
「こっちからですね」
同じ班の6年生が5年生の女の子を連れて歩き出す。その子達を先頭に皆で固まって移動していく。 最初に向かう場所は1階の女子トイレ前のようだ。
「確か、この小学校にも七不思議があったんだよ」
思い出したように私は昔の噂を話し出す。
「ゆりお姉ちゃんっ、変なこと言わないでよっ」
「いや、マジだよ」
私の左手を強く握りながら怖がるそら君を軽くからかう。右手に持つ懐中電灯で少し前を照らしながら進んでいると、前を歩いていた6年生2人が私を見て訪ねてきた。
「ここの卒業生なんですか?」
髪の長い女の子に質問された私は軽く肯定する。
「七不思議って、どんなのがありました?」
もう1人の男の子に聞かれた私は、軽く昔を思い出す。左手を握るそら君は少し唸っている。
「え~っとねー、あぁ、放送室のランプが着くってのは何度も聞いたよ」
小学からの幼馴染である卜部も卒業前に体験したらしい。
「オンエアランプですか?」
女の子が怪訝そうに聞いてくるので、明るく振る舞う。
「噂だし、私自身が体験してないから本当かどうかは分からないけどね~」
「あと~っ、何かあったかな?」
「もういいよ~っゆりお姉ちゃんっ!」
若干涙目のそら君に引っ張られながら歩く。 1階の女子トイレでは班の女子全員で中に入り、写真を撮っただけで終わった。
次に向かう場所は3階の図書室。今はそこに向かう途中の2階階段の踊り場。 早く終わらせたいのか、そら君が私を引っ張る形で階段を上っていく。
「あっ図書室といえばね~」
「言わなくていいよっ」
思い出した七不思議を言おうとしてそら君に止められてしまった。しかし話す!
「図書室のカウンター側にパソコンあるでしょ?」
「言わないでっ」
「……1つありますね」
前を歩いていた6年生の男の子が思い出すのを待って、話を続ける。
「あれが真夜中に光るんだって!」
「やめてよっ」
「光るだけですか?」
興味を持ったらしい男の子は上りきった階段から私を見下ろす。
「いんやぁ~?覗き込むと手が出て来て、顔を鷲掴みっ!」
そら君と繋いでいた左手を放して男の子の前で鷲掴みの演技する。 少し驚いて仰け反る男の子が可愛くてニヤニヤしてしまう。
「入りたくない~っ」
図書室前で駄々をこねるそら君。他の人達に迷惑をかけないように宥める私。
「なんで~?ここに1人で待ってる?」
やっ!と短く返事をするそら君に問いかける。
「なんで入りたくない?」
「だって……ゆ……ねえ、ちゃんがズズッ、はぁっ、んっ……ひっ、かるって……てが、でるっ……っしゅんっ!みって、……いうがらぁ~
!」
ごめんねごめんね、何言ってるか分かんないや。
「抱っこしてあげよう!」
そら君を抱っこすると少し落ち着いたようだ。
「……入りましょう!」
「……普通っすね」
「ですねぇ」
「パソコンも光ってないですし」
「やっぱり噂だからね」
「でっでも!これから光るとか?」
「一応茅野さんが言ったのは真夜中のことですから」
「一応夜ではあってもまだ8時前、ですしね」
「う~ん、わ、懐かしい!」
「どうしたんですか?茅野さん」
「よくこれ読んだんだよ~」
「そうなんですか」
「それ、俺もこの前読みました」
「っと、ほら!あ、宮木君の名前も貸し借りカードに書かれてる」
「宮木、いつの間に?」
「お前が休んだ日」
「……ゆりお姉ちゃん」
「ん、どうした?そら君」
「パソコンが……」
「ぎゃぁぁぁ!」
「「「「?!」」」」
「……おぉ!光ってる!」
「茅野さん!逃げますよ!」
男の子が私の腕を引っ張る。他の人達は先に図書室を出ていってしまっていた。 腕に収まっていたそら君も、私の胸元を蹴ってまで出ていってしまったぐらいだ。
「待って待って!卜部に自慢してやる!」
ポケットにしまっていたスマホを取り出し、急いでカメラモードを起動させる。
「そんな事いいですから!」
「ブレるから待って!」
腕を服ごと引っ張る為、どうしてもブレてしまう。2、3枚取ると、パソコン画面が歪んでいく。 手が出てくるのかと思った私はビデオモードに切り替える。
「茅野さん!ヤバいですって!」
「仕掛けだよ、ただの」
仕掛けでも良かった。今まで恐怖体験をしてこなかった私からしたら嬉しいことだった。
「さっきの女子トイレでも仕掛けがあったから!大丈夫大丈夫!」
焦る男の子を宥めながら奇怪現象として動画に収める。 一応例のパソコンから距離を取った状態で、スマホ越しにパソコンの様子を見る。
「「?!!」」
マジで手が出てきたよ。どうなってんの?どんだけ仕掛けに凝ったの先生。 帰ったら誰が仕掛けたのか問い詰めなければ。
手が出てきた驚きと恐怖で腕を引っ張っていた男の子は私に抱きついてきた。 恐怖のあまり震えている男の子を宥める為に頭を優しく撫でる。
「……すっごいな」
パソコンから出てきた手は私の方向にゆっくりと向かってきた。ここまで来たらマジなのか嘘なのか疑ってしまう。
「!!」
咄嗟に、このままここにいたらヤバいと思った。マジのようだ。
ビデオモードをそのままに男の子を引いて扉まで走る。図書室を出た瞬間、扉の向こう側から変な声が聞こえた。
――に、げられ、た
皆が逃げた所は2階の5、6年生側にある男子トイレだった。丁度、案内地図では次の目的地として示されていた。
「あっ、宮木!良かった」
「悪い、茅野さんが動画撮ったりしてたから」
「ゆりお姉ちゃーん!」
そら君のタックルを諸に受けた私は咳をしながらも息を整えてからスマホを確認する。
「ふっふっふっ、これで卜部に自慢出来る」
ニヤニヤしながら先程の動画を見る。きちんと、光ってるパソコンから手が出てくる所まで綺麗に撮れている。 羨ましがる卜部の顔が思い浮かぶ。
「ここの男子トイレで、太郎くんっていう幽霊が出る噂を聞いた事があるよ」
落ち着いた私達に4年生の男の子が思い出したように話す。
「それ私も聞いた事あるー」
「俺も」
「ぼ、僕もっ」
同意見であるように6年生の短い髪の女の子と男の子、そら君が挙手する。
「え、そうなの?」
知らないのは6年生の髪の長い女の子と5年生の女の子のようだ。 5年生の子は青ざめた顔で首を横に振っている。
「あれっ?でも私達代の噂には入ってないよ?」
当時の噂を全て思い出した私は全ての七不思議を皆に話す。
「放送室のオンエアランプと図書室の光るパソコンと花子さんは話したでしょ? 今思い出したんだけど、花子さんが出てくるのは2階の3、4年生側の女子トイレの一番奥の個室って噂を聞いたよ?」
私の指差しの先は向かい側にある3、4年生側を指差す。皆が私の指差す方向に顔を向けると、私は話しを続ける。
「当時聞いたあとの噂は、2階階段前の多目的ホールの女の子とグラウンド横の池から出てくる濡れた女性、それから開かない下駄箱と辿り着けない屋上の4つだったよ。ちなみに七不思議って順番があったりするんだけど、いろんな人の考えを聞くといつも辿り着けない屋上が最後に来ることが殆どだったの」
不思議だよね~、と呑気に思い出語りをすると、そら君がまた抱きついてきた。
「もおトイレいけない……」
そら君、トイレ我慢するのは体に毒だよ。行きたいときに行こうね。
「と、取り敢えず男子全員で男子トイレ入って写真撮ってきて」
固まっていた6年生の女の子2人が男の子にカメラを渡して背中を押し促す。
「わ、分かったよ」
私はそら君の背中を押して中に促すが、歩こうとしない。
「そういえばそら君の好きレンジャー物のアイスがいつものコンビニに売ってたなー」
独り言のように呟いた私の言葉にそら君は勇気が出たようだ。いってらっしゃーい。
「昔の噂っ、もう少し詳しく教えて下さい!」
待ってる間にガールズトークを楽しむ私達。
「別に無視していいですよ茅野さん」
「よぉーしっ話してやろうっ」
6年生の短い女の子からの申し出に頭を回転させて当時の噂をもう一度思い出す。
「まず多目的ホールに現れる女の子だけどね、彼女は悪い霊じゃないらしいよ」
何処から出したのか、メモ帳とペンでスラスラと書いている。面白くなった私は、少し早口で当時の噂を話す。
「女の子は体が弱くて外で遊べないからいつも多目的ホールに置いてあるトランプやお手玉で遊んでたらしい。 だから、霊となって現れる時は必ずと言って良い程遊び道具を手に持っているらしい。 特にトランプはお気に入りらしくてどちらかの手には必ず持っていて、トランプで一緒に遊んであげると喜んで消えていくらしい。 多目的ホールの噂は大体こんなんかな?」
書き溜めている子に目を戻すと、目をキラキラさせて続きを待っている。
「ふぎゃぁぁぁ!」
続きを話そうとしたら、叫び声と共にそら君がトイレから出てくる。
本日何度目かの突進にお腹を擦りながら泣き喚くそら君を宥める。
「もういないってー、宮木君も言ってるから大丈夫だよー」
6年生の男の子、もとい宮木君が言うには写真を撮る時に見えていた鏡に黒い影が見えたらしい。 宮木君の驚いた声にそら君が驚いて皆で後ろを向いたが何もいなく、窓に近付いた時に再び黒い何かが通ったらしい。
「そら君、次で私達の班終わるから頑張ろう?」
ため息を吐きながらそら君の頭を撫でていると、隣に6年生の髪の長い女の子、もとい村瀬ちゃんが優しく声を掛ける。
「そうだよ~。茅野さんが言ってるアイス、食べないの?」
次に6年生の短い髪の女の子、もとい原口ちゃんも優しく声を掛ける。
「ふっ、ひっ、グズッ、いくっ」
「よ~しっ、そら君偉いっ」
原口ちゃんがそら君の頭を少し乱暴で撫でる。涙目ながらも笑ったそら君と手を繋いで移動を開始する。
「ごめんね~そら君が。宥めてくれてありがとっ」
次の目的地である保健室に移動しながら村瀬ちゃんと原口ちゃんに軽く礼を言う。
「いえ、大丈夫です。学校でも結構泣いてるんで」
「弱虫なんだよね」
宮木君と手を繋ぎながら先頭を歩いているそら君には一番後ろで話していた私達の言葉は聞こえなかったようだ。
「よし!ここで皆の写真を撮ったら終わりだよ!」
原口ちゃんがカメラのタイマーを押して急いで皆でポーズを取る。
皆でワイワイと喋りながら昇降口の前に来た時、変な音がした。
「……何か、変な音したよ」
最初に口にしたのは原口ちゃんだった。それから皆して同意するように返事をしたり、頷いたりする。
「……したね~」
最後に私が同意をすると、歩いてきた方向から誰かの足音がする。 容易に先生だろう分かったけど、皆には言わない私。
ツカ ツカ ツカ トットットッ
ウガァー!!!
「「「ぎゃぁぁぁ!!」」」
「「「きゃぁぁぁ!!」」」
私以外が外へと逃げていった。
「わぁー!久し振りですー!」
懐かしの浅木先生だった。
「ゆりお姉ちゃん!それお化け!」
「違うよー?浅木先生だよー?」
「浅木先生でしたー!そら君驚いたー?」
浅木先生は保健室の先生で、私達を驚かす為に隣の放送室にいたらしい。
「「「……浅木先生!」」」
そら君の後ろで真相を聞いていた3年生3人は顔を見合わせてから浅木先生に抗議し始めた。
「んっふっふっー!今回も新メイクで驚かせたわー!」
満足げに笑う浅木先生はハッと何かを思い出して踵を返して校舎内に戻っていく。
班ごとに纏まって2分、後の班が叫びながら校舎から出てきた。怖かったー、と言う声を聞きながら花火の準備を手伝う。
「それでは今から花火を始めまーす!花火同士での火の移しは危険ですのでやめてくださーい!」
全ての説明を終えると、各班ごとに火を着け始め、花火の光がグラウンド内で7色に煌めき出す。
「二刀流!」
シャキーン!という効果音が着きそうな程に切れのあるポージングをする私。
「スゴーイ!カッコイー!」
「ハハハッ、そうだろーそうだろー!」
もっと言ってー!と言うと、村瀬ちゃんがそら君の口を塞ぐ。
「危険です」
二刀流を終えてしまった私は、水の入ったバケツに捨てる。ふと、視界の端で何が動いた。 場所は校舎2階。否、あの場所は3階?
多目的ホールの大きな窓だ。人がいる。手を振っているのか、何かがずっと揺れている。 肝試しは終わった筈。じゃぁあれは……。
「ゆりお姉ちゃん!もう1回二刀流やって?!」
本日最後の衝撃。何度目かのそら君からの攻撃にとうとう倒れてしまった私は驚いた。
「星すげぇ……」
キラキラ光る星と花火から出た煙が妙に合っていた。