お姉様は到着っぽい
待てど暮らせどお兄様もお姉様も来ない。
もう、日が暮れた。
「シスネお姉様もコルヴォお兄様も、遅いな…」
お父様とお母様に挟まれてるのにやっぱりみんなが揃わないってのは寂しい。
私のこと、イヤになっちゃったかな。
崖くずれって嘘で二人で遊びに行っちゃったのかな。
「カナリヤ、そんな悲しそうな顔をしないでおくれ。お父様もお母様も悲しくて泣いてしまうよ」
「お父様…」
「そうよ、お兄様もお姉様も居ないけど私たちじゃだめかしら?」
二人が同時にぎゅって抱き締めてくれた。
あったかい。貴族なのになんでこんなに仲がいいんだろう
前世の私はどうだったっけ…あれ、よく思い出せないや。でも思い出せなくていいのかな、変なこと考えなくていいし。
「シスネ様!!階段をかけ登られては危険です!!」
「離しなさい!カナリヤの悲しんでいる気配がするのよ!!」
不意に廊下が騒がしくなった。お母様がいたずらっぽく笑う。
「ただいまカナリヤ!!」
「ひゃっ!?」
勢い良く扉が開き、私の背中に何かが飛び付いた。
…まあ、お姉様なんだけど。
とりあえず変な声でた。恥ずかしい…
「お姉様、おかえりなさい!」
「ただいまっ私のお姫様。寂しくなかった?泣かなかった?使用人たちと喧嘩しなかった?」
そのまま抱き上げられてくるくる回るお姉様。
…酔う!酔っちゃうから!
雪のような真白の肌と月の光を集めたような瞳とそのお髪、りんごのように色付く頬にバラの唇。一度口を開けば鈴の音のような美しい声色。
社交界で咲き誇る白薔薇姫とまで呼ばれることが多い私のお姉様。シスネ・アルブ・ラインツバードは我が家一のお転婆さんで頼れるお姉様だ。
…って、お姉様止まって!死んじゃう!何もかも出ちゃうから!
「ふふ、シスネ。うちのお姫様が死にそうな顔をしているよ。」
「え、あっ!カナリヤ!!大丈夫?!」
「な、なんとか…」
その強靭な三半規管を分けてください…。