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お兄様は遅れるっぽい
めっちゃ忘れてたァァァァァ
「皆様、階段でそのようなことをしては万一のことが御座います。お部屋にどうぞ。」
セバスチャンが笑いを噛み殺しながら私たちを部屋へと促す。
そこでやっと気づいたかのように私達は部屋へと向かった。
もちろん、私はお父様に抱っこされたままで。
「お父様、コルヴォ兄様たちはまだなのですか?」
「ん?カナリヤ姫は私とお母様だけでは不満かな?」
お父様が女の子なら一言聞くだけで骨抜きになりそうな声で囁くけどとんでもない!
「そんなことないですわ!ただ…お誕生日くらい一緒に過ごしたいなぁって…」
「ふふ、大丈夫よ。カナリヤ。お兄様たちは馬車の道の関係で少し遅れるだけって影の人達が教えてくれたわ。」
「馬車の道?」
「そう、先日の雨で土砂崩れになっているそうだよ。」
…それは結構な問題ではないですかお父様、お母様。