おかん節炸裂っぽい
カナリヤside
セツリッカの子供の身体は、命の熱さと死の冷たさが同居していた。
柔らかく密度の高い毛並み。
雪のような白さのそれを不本意に流された血が赤黒く汚してひどく不快だった。
『ややこっややこを返せっ』
『こっから先に近付くんじゃないっっ』
セツリッカが吠えると氷の塊がこちらに飛び、ティティさんが風でそれを払い落とす。
何回もそれを繰り返しているが回を過ごすごとに威力は凶悪になり、一回目では氷のカケラさえ飛んでこなかったものが今では小さな破片がピシッと当たったりする。
『凍てついた土地の同胞よっ我らの愛し子がややこを治してくれるっ、落ち着くきなっ。』
『うるさいっ…返せっ』
聞く耳を持たないセツリッカにティティさんがきれた。
『…ぁあっ格上だから少しは遠慮してたけどねぇっ
』
ティティさんが前足を強く地面に叩きつけた瞬間、私たちの周りに風の膜が出来、同時に投げ付けられた氷の礫が全て跳ね返されていた。
『アンタが落ち着かなきゃ誰がややこ守んだバカ親がっ、嘆くだけで赤ん坊殺すなら一か八か人に任せることも覚えなっ』
強烈な猫パンチと共に告げられた言葉はセツリッカは瞳を揺らした。
そのまま(多分脳震盪で)動かなくなったセツリッカを満足そうに見るとティティさんは私達を振り返ってこう言った。
『はいよ、うるさいのはいなくなったから存分に集中しな』
…母は強し?
あれ、ここ子供の治療回にするはずだったのに…




