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悪役令嬢の憂鬱  作者: くるくるもふもふ
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勘弁してほしいっぽい

寒い、歯の根が合わず絶えずガチガチと音が鳴る。

雪は既に止み、温度が戻ってもいい筈なのに一向に戻らない。

ふと横を見るとリュコス様もリンクスさんも同じように身体を震わせていた。


『乾いた土地の同胞よ、私から愛し子もややこも奪っていくというのか?』

『それは違う、ここには愛し子の他にも私の契約主ともう一人護らねばいけない精霊の契約主がいる。それは水のものを連れているからお前の影響を受けやすい。』


ティティさんが必死にユキヒョウを宥めている。

ユキヒョウの足元には赤く染まる白いもの。

その周りを青みがかった白い魔粒子が心配そうにぐるぐると回っている。


「ややこって…」

「…赤子のことだ。あのセツリッカは自分の赤子を失ったんだ。多分足元あれだろう。」

「感情のあまり暴走する。精霊によくあることだ。大体の対処法は感情を高ぶらせるものを取り除くことだが…あのセツリッカの場合では逆効果だろうな」


セツリッカ…ユキヒョウをここではそういうのか。

辛そうにユキヒョウの足元を見る二人に一つの違和感。

あの子はまだ死んでいない。だって死んだのなら私には見えるはずだから。

従って、あの子を助けることが出来るのであれば私たちは助かるのでは?


「失う?死ぬってことですよね?」

「そうだ。」

「…リンクスさん、リュコス様。ユキヒョ、セツリッカの隙を突いてあの子を私の元へ連れてきてもらうことはできますか?」


聴こえたのだ生きたい、と叫ぶ小さな魂の声が。

見えたのだ母を呼ぶ魂の瞬きが。


「…はぁ?俺に死ねと言ってんのか」


状況を忘れリンクスさんは呆れたようにデコピンをかましてきた。

リュコス様も信じられないとこちらを見ている。


「ちがいます、あの子…生きてます。かろうじてですが。あの子を助けられたらきっと、セツリッカも…」

「…わかった。おい、あー?リュコス?手伝え。どんなことでもいい一瞬、あのセツリッカの視界を奪え」

「…了解」


その一言で通じたのか2人は気配を消しながらセツリッカの死角へと向かってくれた。



ユキヒョウ→セツリッカ→雪六花

こんな漢字ならいいなぁ

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