能力開放っぽい?
お待たせしました(;Д;)(;Д;)
リンクスさんが出て行って、部屋には私とオルカさんの入った殿下しかいない。
「殿下、無礼を承知の上で今後お名前でお呼びすることをお許しください。」
「…っ、あ」
返事をする体力もなかったのかかすかに呻き声しか漏れない。
『リュコスの代わりに我が許そう。』
胸のあたりから聞こえてくるティノールにこっそり安堵のため息をつきつつもやはり心配は変わらない。
「有難うございますオルカさん。」
とりあえず殿下のためになにかしてあげたいが手足を縛られている状況じゃなにも出来ず歯痒く、八つ当たりすらできやしない。
『して、カナリヤよ、才能的技能の開放は済ませたのか?』
「開放?」
『そうだ、聖女の持っていた本は本物だった。ならば才能的技能の開放も出来るはずだ。』
「でも、やり方も本もないですよ。」
『本ならある』
「うわぁっ」
殿下のお腹と胸の中間から顔を出し、辞書くらいの大きさの本をくわえて差し出してくるちっちゃくなったオルカさん。
それが海なら可愛かったけど人のお腹から出てくるなんて怖いよっ
というか殿下のお腹の中どうなってるんだろう。
『どうした?早く取らぬか』
「あの、手を縛られているので目の前に落としてくれると助かります…」
『ぬ、失念しておったすまぬ。そろそろリュコスも話すくらいの余裕はできるだろうし、我は腹に戻るぞ』
首を傾げるオルカさんは可愛い。
でも殿下のお腹の中どうなってるのか考えると怖い。
本を落とすと同時にオルカさんはまた殿下のお腹の中に潜った。
「え、えぇ…どうしたら。」
「…本を開け」
「で、殿下!!お身体の具合は?」
「問題無い。早くしろ。」
本を前に途方に暮れると今度は殿下が辛そうに、でもしっかりとした口調で命令してきた。
まだまだ顔色は悪いけどオルカさんのサポートがあるから大丈夫なのかな?
「おい」
「はい?…んっ、んっく……」
手を使えないのにどうやってとか言ってはいけない。後ろ手に必死に開こうとすると殿下が呆れたようにこちらににじり寄ってきた。
「…何をしている」
「……本を開こうとしてます」
「魔術の掛かった本だぞ?開けと言えば開くに決まっているだろう」
アホかこいつみたいな目で見られた。
…だって知らないもん…ファンタジーかっ
…そういえばここ…ファンタジー世界だった。
「…………ありがとうございます。開け」
ええ、開きました、開きましたよ。字なんかちっとも読めないですけどね。
本は魔術文字で書かれていた。
魔術文字とは精霊文字を改造してさらに魔力の通しを良くしたものらしく、子供が使うと危ないから6歳未満は一切触れさせないもの、らしい。
いま説明されて初めて知ったわ。
「髪を一本でいいから落とせ」
「かしこまりました。」
拗ねたついでに臣下の礼をしても気付かない殿下…やっぱり体調悪いのかな。
流石にむかつきは来なかった。
美しく巻いてもらった髪は結構気に入っていたがところどころほつれてしまった。
歯で噛み切って本の上に落とすと本が、ほんのり光る。
「俺に続いて繰り返せよ」
「はい」
「人の手で造りし精霊よ、人類の叡智の結晶よ」
「ひ、人の手で造りし精霊よ、人類の叡智の結晶よ」
「我が神より賜りし恩恵を示したまえ」
「我が神より賜りし恩恵を示したまえ」
「鍵語 才能的技能発露」
「鍵語 才能的技能発露…ひっ?!」
たどたどしく繰り返し、最後の鍵語を言い切った瞬間、金色の文字が部屋をぐるぐる回り、同時に脳内に情報が雪崩込んだ。
[カナリヤ・エル・ラインツバード
加護及び寵愛、才能的技能
・生と死を別つ境界の神ターナトゥスの加護
自らの手及び眷属の殺した者の技能を任意でモノにできる。
豊穣と季節の神デーへメルの加護
土壌の状態がわかる。草花を操れる。草花の育成の促進ができる。
世界の境界を見守る神ユィリディシアの加護
異世界の技術及び知識の制限。
脳に負担が掛からないように随時開放
精霊、動植物との繋がり
精霊、動植物と話が出来る。(魔力の強いものほどはっきり声として認識できる魔力の弱いものは感情の波程度。)
薬及び毒の精製技術
薬及び毒の精製技術が上がりやすくなる
声なき者たちの寵愛
動植物から好かれやすくなる
姿無きものたちの寵愛
精霊たちから好かれやすくなる
常人の目に見えないものから好かれやすくなる
精霊の右目
精霊、魔力の流れその他常人の目に見えないものが見えるようになる。
裁縫
料理
医療行為(外科内科及び回復魔法、薬学等)
戦闘
魔法(攻撃魔法及び補助、契約魔法等)
魔術織り
魔力を込めた布を織ることができる。また、刺繍なども同じ]
え、これなんのチートですか?




