話を聞いて見るっぽい
カナリヤside
「ちょっと俺と話をしないか。おちびたち」
「おまえっ敵のお前の話など聞くわけっ…」
「聞きましょう。話してみて下さい」
信用するかしないかはともかく、リンクスさんに威嚇する殿下を抑えながら話だけでも聞いてみることにした。
「なぜ、こいつを信用する!」
「いいですか?ここがどこか、相手がどのくらいか…なぜ私たちが拐われたかなどわかるかもしれません。それにもし本当に味方になってくれる方でしたら話だけでも聞いてみることに損はありません。以上です反論はありますか?」
「…くっ、ない」
『まだまだ若いなリュコスよ。』
オルカさんが愉快そうに笑う。
そう言えば拐われるとき、聖女様もどきは殿下を王太子殿下と認識してなかったように思えた。
あまり国にいないお父様は認識していたのになぜ?
「…リンクスさん、この方が誰かわかりますか?」
「ん?この坊主か?知らん。イイトコの貴族の坊ちゃんじゃねえの?」
やっぱり。リンクスさんやもどきがどのポジションにいるか分かりはしないが、これで一歩だけ進んだ。
リンクスさんには王太子殿下って伝えた方がいいのか、いやそれで王国に変な要求とかされたら困るか。
確実に信用出来るまでは伏せておいた方がいい。
「この方は私の婚約者であり、私よりも位の高い侯爵家のご子息です。下手をすると王国を敵に回すとこの組織に覚悟はありますか。」
「知らねえんじゃね?うちのお得意さんの魔術師のバーサンが生贄だかなんだかに向いてるやつを探してるってので占った結果がお前らだ。」
「占いで出たのはどんな内容で?」
「…なんでこんなことを聞く」
リンクスさんの琥珀と紫水晶が細く鋭く私を射貫く。
私はともすれば逸らしそうになる視線を無理やり固定して睨み付けるようにして言った。
「このまま逃げることすら出来なかったらわたし達は死ぬのでしょう?もしも勘違いで殺されるのならこれほどふざけたことはないですわ。」
「まあ、そうだわな。すまねえな。」
わざと尊大に返すと苦笑するように頭を下げられ、何も言えなくなった。
「いいえ、それではお話をお聞かせ願えますか?」
そして、リンクスさんから話を聞いてみるとリンクスさんにも辛い事情があった。
「だからな、こう言っちゃなんだけどお前らはあいつらの身代わりってわけ」
「そうですか…」
「幻滅したか?」
「いいえ、幻滅なんてするはずないです。そうですよね?」
殿下に同意を求めようと私が振り返るのと殿下がその場で崩れ落ちるのは同時だった。
オルカさんも身体を取り巻く青い魔力も薄れ、苦しそうにもがいている。
「でっ…リュコス様!!」
「はっ…く、大丈夫、だ……。」
真っ青な顔して大丈夫な訳ないでしょ!
『カナリヤ嬢、そなたとリュコス の縄は身体から強制的に魔力を放出するものだ。我は中に戻る、出来る限り体内でコントロールする故早めに縄を…』
最後まで言いきれずにオルカさんは崩れるように消えていった。
「リンクスさん!」
「だめだ、この手の道具は持ち主登録したやつしか解除出来ねえ!!…ボスを呼んでくる。お前らは大人しくしてろ、絶対に縄のことを知ってるような口ぶりをするなよ。」
そう言ってリンクスさんは慌てたように部屋から出て行った。
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