正気に戻って現状確認っぽい
カナリヤside
ぴちょん
「つめたっ」
『カナリヤ嬢、とりあえずは落ち着いて現状確認ではないのか?』
パニックに陥っていた私の額に冷たい、濡れた感覚
それと一緒に降ってきた、心地のいいティノールボイス。
いつの間にか目の前にいた、薄い青の魔力に包まれた白黒の流線ボディが心配そうに(シャチだからあくまでもなんとなくそうだと思う)私をのぞき込んだ。
「お、オルカさん?そ、そうでしたわ。有難うございます。」
『気にすることはない、我は巡回に行っておった。』
…ん?
なんかオルカさん小さくないか?
目が覚めるまでは本物のシャチと同じくらいの大きさだったのに今は私たちと同じくらいにしか見えない。
「オルカは俺の任意で大きさを変えられる。それが血に宿る精霊の特徴だ。」
「血に宿る精霊?」
なんででしょう、とてつもなく気持ち悪い想像をしてしまいました。
殿下の血は何色、だとか。
「文字通り血に宿る精霊だ。才能的技能発露の儀に必要があれば契約し、いつでもそばにいて死ぬまで離れない。
それから、俺の血は普通の赤だ。実体のない精霊を血に溶け込ませるのみで害はない」
ふぅん…良く分からないけどなんかすごい。
なんとなく理解をしつつ、改めて部屋を確認するとどうやらここは何処かの貴族の寝室のようだと判断を下す。
没落したのか長い間手が入っていなく、ホコリが厚く積もっている。
装飾の割に部屋は意外と狭いから男爵から準男爵レベルの客用の宿泊室。
窓には板が打ち付けてあって何も見えない。
ついでに私も殿下も怪我らしい怪我はしていないけど縄が外れそうな気配はない。
この縄もなにか気持ち悪くて少しずつ、なにかが吸い取られていくような気がする。
唯一の救いはホコリをたっぷり吸っていそうな上掛けはベットの下に落としてあり、まだましなマットレスに直接寝かされていることくらいだろうか。
『外の様子だが、周りには見張りが大量にいた。逃げるのは難しいだろう。』
「そうだな、俺としてもそのまま逃げないでもらえると助かるわ」
「っ、誰だ!」
いつからいたのか、ゆったりと音もなく歩み寄ってきたのは砂色の髪をした少年だった。
若い、14、15くらいの男の子。
砂色の髪を青のバンダナで止めていて、深い深い琥珀と紫のオッドアイが綺麗だけど。
肌は小麦色で感情の薄い笑みを浮かべた唇が妙に歪んで見えてなぜか怖い。
ぼろぼろの服、戦闘なんてしたことのない私でもわかる、スキのない身のこなし。
どこか山猫のような雰囲気の人だった。
「俺はリンクス、この盗賊団の一員さ。」
あ、本当に山猫なんだ
少し言い回しとリンクスの見た目を変更しました。
白髪白肌から砂色の髪に小麦色の肌にしました




