はじめての恐怖到来っぽい
カナリヤside
「お父様!!」
危なげなく攻撃を受けるお父様、そして男の声で笑いながら更に攻撃をする聖女様。
「きゃはっ、ラインツバード家のご当主さま直々のお相手とは恐れ多いなぁ」
いっそ無邪気なその笑い声が怖くてたまらなかった。
侍女の悲鳴が響く室内。
反対に領民たちのざわめきで賑わっていた外は何も音がしない。
「貴方たち!領民たちに何をしたの?!」
お姉様が声を上げると聖女様の形をした何かは嘲るような口調で笑った。
「きゃはっ、静かにしてもらっただけさぁ。永遠になぁ!あはっあはははは!!」
「…そうですか。それでは、あなた様もお静かになられてください。当家では招かざる客はお帰り願うのが原則ですので。」
「あは…え?」
耳障りな笑い声が一瞬で止まる。
ごとりと重たい音がするのと同時に聖女様もどきの首が床に跳ねた。
いつの間に背後に回っていたのかセバスがのんびりと仕込み刀になっていたのであろうステッキを拭いている。
「…セバス、子供達に見せられないような形に殺すのは辞めろといつも言ってるでしょう?」
「それはそれは、申し訳御座いません」
「「え?」」
呆れた様子のお母様に殿下と驚きの声がかぶる。
なんでみんなそんなに驚かないんですか?
「今回の賊も呆気なかったですなぁ。」
「しかし領民たちに危害が加わるとは」
「いえ、短時間に全てをほぼ同時に殺すのは無理でしょうおそらく眠り薬か何かかと…」
二人が話し込んでいる間、何故か殿下は腕の中の私を開放することはおろか、警戒すら解いていなかった。
「殿下…?」
「動くな、オルカ見識の書を持ってきてくれ」
『承知した』
「え、え、ええ?!」
殿下が誰かの名前を呼ぶと殿下の胸の辺りから青い光と共に大きな魚が出てきて聖女様擬きの横に落ちてた見識の書を持ってきてくれた。
白黒の体に滑らかな流線型の形、白い目のような斑点…これは
「シャチ?」
『そうだ、我はオルカ。リュコスの一部でありリュコスでは無きもの。してリュコス、あれはなんだ。死臭が酷く鼻がもげそうだ。』
青い魔力?に包まれているシャチ(オルカさんと言うらしい )が嫌そうに尾ひれで聖女様擬きを指す。
…ん?酷い死臭?今さっき首をはねられた聖女様が?
「セバス殿、アクィラ殿!!」
気づいた殿下が叫んだ瞬間、聖女様もどきから黒いヘドロのようなものが噴き出した。
記念すべき初もふもふ?はシャチのオルカさんでした!(名前そのままとか言わない)
殿下より精神年齢の高いオルカさん、これからの活躍に期待です!!




