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決意をしたっぽい
「とりあえず眠い…」
起きた時は鮮明に覚えていたゲームに関する記憶は今や遠いもやのなかにいる。
攻略の仕方も、攻略キャラクターも思い浮かばない。
ただ、自分の終わり方だけが思い出せる。
嫉妬に狂い
愛していた許嫁に捨てられ
私のせいで一族郎党処刑される
何故前世の私が死んだのかわからないし、もしかしたら前世の私の妄想の世界がここなのかも知れない。
だけどカナリアを産んでくれて、愛を持って育ててくれた家族を自分の身勝手さに死なせるわけには行かない。
「カナリアお嬢様起床のお時間になりました。入室の許可を」
「どうぞ」
「失礼致します。」
侍女が告げる一日の始まりに私は決意した。
家族は、死なせない。