交流をはかってみるっぽい2
ぽかんと惚けた顔をする殿下。
すぐに気を取り直したように睨みつけてきた。
「それから殿下、今度から嫌いな相手でも少しは取り繕ったらどうですの?私を嫌悪していることを隠そうともしない、むしろ父のことを貶すなど…並の御令嬢や王族の女性なら失神、もしくはご自害なさいますね。殿下は妹君や姉君がそんな思いをしたらどうなのです?」
私は怒ってないですよー?ええ、起こってないですとも。お父様をけなされたからって怒る訳がないですよー?
だって王族ですもん。
どんなに横暴でも私より権力のある存在ですもん。
「なっ、この僕に向かってそんな口が…」
「それはそれは失礼致しました王太子殿下。愚かな忠臣の世迷言だと聞き流しください。噂話のみを信じる殿下には容易いことでしょう。」
「この、無礼者!」
乾いた音と共に視界がぶれる。頬を叩かれたと認識するのと同時に私は王太子殿下を冷たく睨む。
「反論出来なくなると暴力に走るのですか?それが王族の在り方なのですか?それなら私は、この国に骨を埋めたいとは思いませんわ 」
自分のしたことに呆然としている王太子殿下に向かって、一礼をしてから部屋に向かうと
中ではお父様たちが難しい顔をしてこちらを見ていた。