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悪役令嬢の憂鬱  作者: くるくるもふもふ
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王太子殿下にも事情があるっぽい

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不愉快だ。

全く持って不愉快だ。

僕に婚約者が出来たのが一週間前。そしてその婚約者に会いに行くのが今日これから。

しかもそれがあのラインツバード家の娘だなんて!


ラインツバードの話は先生から聞いている。

父の乳兄弟で本当はラインツバードの血をほとんど継いでいないこと、ラインツバード領の住民は税が重く、苦しい生活をしていること、父上は身内に甘いせいかそれに気付いていないこと、他にもいろいろ聞いていた。


そんな家の娘、誰が好きになれる?

たしかカナリヤと言ったか、本物のカナリヤのようにラインツバードという鳥籠以外では生きていけなそうな我が儘な娘に違いない。

なんて最悪で憂鬱な日だろう。


ついてない、まったくもって最悪な日だ。

僕はため息を飲み込みながら我が身の不幸を嘆いた。




ラインツバード家についても僕は不愉快な気分のままだった。

ラインツバード家当主アクィラ・ラインツバードが予想以上に感じのいい、紳士だったこともその一因だ。


けっして派手ではない、しかし仕立ての良さは王室のものにも匹敵するほど良い服を着こなし、身に着けているものも全て品のいいものを付けている。

物腰も柔らかく、時折会話に交じる親馬鹿な言葉は甘く、優しく絵に書いたような善人らしさがひどく気持ち悪かった。


きっとこの縁談もラインツバードから無理矢理ねじ込んだに違いない。

娘のカナリヤだって扱いのめんどくさそうな、気の強そうな顔をしていた。

さっさと嫌われて、この縁談を壊さないと。


…こんなことバレたら父上は怒るだろうな。

感想、誤字脱字の指摘などあったら泣いて喜びます

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