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森川君観察日記  作者: 井上ぴこ
番外編
38/47

37.クリスマス?うちは仏教です~栞コレクションは誰が入れたのか~

クリスマスのおまけです。



 ずっと気になっていることがある。

 あの栞コレクションは誰が入れたのか?

 いつの間にか鞄の中に入っていたのも気持ちが悪い。

 まぁあれが入ってなかったら森川君に渡すプレゼントがなくてぐずられていただろうから助かったけど。

 助かったと思ったのも一瞬で、あれのせいで、帰った後森川君から歓喜のメールが届いて、『俺寝るときに枕の下に入れて寝るから!』と。

 若干気持ち悪くて引いた。

 多分、いつも持ち歩く気がする。それを考えただけで悪寒が止まらない。



 あの日、あの場所にいて鞄の中にあれを入れられたのは4人。

 佐伯・森川君・水石・加藤さんだ。


 まず第一容疑者、佐伯。

 佐伯は駅前の待ち合わせから一緒に行動していた。

 いつも隣だったし、カラオケボックスでも隣だった。

 入れられる可能性は十分ある。


 しかし、先輩といつ絡んだのだ?

 佐伯は先輩に対して良い印象を持っていない。

 それなのにもかかわらず、先輩から頼まれて入れるようなことをするだろうか?

 「しない……よね」

 嫌なことは嫌だとはっきり言うタイプだ。

 入れるわけがない。


 第一容疑者佐伯、証拠不十分につき不起訴。



 第二容疑者、森川君。

 もう絶対ないな。

 違うでしょ。

 自分で入れた物を鞄から奪うか、普通。

 中身も知らなそうだったし。

 少し考えて森川君だけはないと結論が出た。


 第二容疑者森川君、有り得ないので不起訴。



 第三容疑者、水石。

 正直一番怪しい。

 カラオケボックスでは席は離れていたけれど、鞄に入れるくらいなら可能だ。

 トイレに立った時、飲み物を取りに行くからと一緒に席を立ったこともある。

 そのときに鞄の中に入れられたはず。

 先輩の本性を知らなければただの美人だと思うから鼻の下伸ばして頼みごとを聞きそうだ。

 サッカー部の見学をしていたから先輩のことは顔見知りくらいの仲ではあるに違いない。

 

 クソッ!

 一番怪しいけれど、決定的な証拠がない。


 第三容疑者水石、証拠不十分のため処分保留。



 第四容疑者、加藤さん

 考えることもなく、容疑者にはならないと思うけれど一応。

 加藤さんが乱入したのは終わる直前。

 森川君の隣に座ったため入れられる可能性は低い上、動機がない。

 第一先輩は加藤さんが嫌いだから加藤さんには頼まないだろう。

 よって加藤さんはなし。



 「やっぱり水石が一番怪しい」

 新学期が始まったら地味にいやがらせしてやる。

 ロッカーに隠してあるエロ本を机の上にぶちまけてやる!

 安藤はそう決意した。



 *****

 「いやぁ~、安藤のあの時の顔見た!?超ウケた!」

 「お前、鬼だよな」

 ファーストフードのテーブル席に向かい合って座っている佐伯と水石。

 彼らは解散後、帰らずに駅前に残ったのだ。

 安藤に仕掛けたいたずらについて2人で話したかったからが一番大きな理由である。


 安藤の鞄に入れられていたプレゼント(栞コレクション)は実は佐伯が用意したものだ。

 自分に疑いがかからないようにわざわざ先輩のイニシャルを使って。

 写真もこっそり隠し撮りしたわけではなく、1年のころから今までに撮ったものを使った。

 撮ったことだって安藤は知っている。ただ、その写真を勝手に贈られたとは知らない。

 先輩が隠し撮りしたものが写っていると思っているだろう。



 カツ丼屋で聞いた栞コレクションの話、これは面白いと思った。

 でも安藤に協力するだけではつまらないから、こっそりバレないようにしかけてやろうと考えた。

 そこで水石にも協力してもらった。

 まぁ水石は自分にかかる疑いを晴らすための人員であって特に何かしてもらったわけではないが。

 先輩のイニシャルだけでは誰かほかに協力者がいると思われてしまうからな。


 幸いにも安藤の鞄の中に入れるのは簡単だった。もっと難しいかと予想していたが、ちょうど口が開いたタイプだったので安藤が目を離したすきに入れることができた。


 安藤が鞄からあれを見つけたときはかなり面白かった。面白すぎて危うく笑ってしまうとこだった。

 安藤の顔が固まっているのに森川は何にも気づかないで喜んでいて。見ているこっちは心の中でニヤニヤしっ放しだった。

 

 しかも協力者を水石に仕立て上げたことで、新学期が始まって安藤が水石に行う復讐まで見られる。

 そんなのもう、最高に面白い!


 「私は面白いものが見たい」

 満面の笑みで言われるともはや何も言えない。

 水石はそんな佐伯の様子に引いていた。


 彼は知らない。

 新学期早々エロ本を机の上にばらまかれて先生に職員室まで来るようにと言われることを。

 そこで、正座させられ1時間説教を食らうことを。

 

 すべては佐伯の手の中で起こっていたことは誰も知らない。



いつもありがとうございます。



いつの間にか本編より番外編のほうが長くなっていました。

この辺でちょっと方向性を改めて考え直します。

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