34.クリスマス?うちは仏教です(6)
長くなってしまったので2つにわけます。
24日当日。
安藤・佐伯・森川君・水石は駅前に待ち合わせしてカラオケボックスに向かった。
待ち合わせ場所に安藤はジーパンにチュニック、ケーブルニットコートとラフな格好で行ったら、森川君に「何で!?」と意味不明なことを言われた。
明らかにがっかりしている。
この格好はよほどおかしいのだろうか?
佐伯と遊びに行くときも大体こんな感じの服装だが、おかしいと言われたことはない。おかしかったら「変じゃね?」と言われているはずだ。
「何が?」
「何でスカートじゃないの!?」
「は?」
ナンデスカートジャナイノ?
一応聞いてみたら有り得ないと言わんばかりに言われたのだが、その発言の方が意味がわからない。
「ああ、森川は安藤にスカートで来てほしかったんだよ」
水石が付け足すが、安藤としては何でスカートで来ないといけないのかわからない。スカート寒いじゃん。
「デートだからスカートで来ると思って期待してたんだよ、こいつ」
大事なことだから言っておきたいが、デートじゃない。
佐伯も水石もいるのだからデートとは認めない。断じてデートじゃない。
「森川ー、安藤は2人っきりでデートするときまでスカートとっといてんだよ。今日は水石もいるんだぜ?水石に安藤の足見せてもいいのかよ」
佐伯がにやにや笑いながら森川君に囁いていた。囁いているのに内容丸聞こえなんですけど。
2人っきりでデートする予定もないし、仮にデートしてもスカート穿く気もないし、いつも制服スカートじゃんと突っ込みどころが多くて突っ込みすらしない。
森川君は納得したのか、今度は水石に向かって「スケベ!エロス!」と怒っていた。
「水石が栞の足見たら栞が汚れちゃう」
森川君は水石から見られないように安藤を庇う。水石はとんだとばっちりだ。
だからいつも制服スカートなんだけど。しかも今日ジーパンだから足出していないし。
カラオケボックスに入り、店員に部屋番号の書かれた伝票をもらって部屋に行くと、佐伯は照明を一番暗くした。
「暗すぎない?」
「この方がいいんだよ」
佐伯はさっさと画面が一番見やすい場所に座ってリモコンで曲を入れていく。
安藤は佐伯の隣に腰かけたが、その反対側に森川君に座られてしまった。
「栞、俺ラブソング超練習してきたから」
「う、うん……」
笑顔で言われても曖昧に頷くことしかできない。
佐伯が入れた曲が流れだして、固まった。
これって……。
「森川。今日は歌わねーぞ。怖い話大会だ」
リングのBGMに合わせて佐伯がマイクを使って言った。
「えぇー嫌だ!せっかくラブソング練習したのに」
「言わせてもらうが、お前は音痴だ。お前の歌を聴くくらいなら怖い話で盛り上がったほうがましだ」
立ち上がって森川君を見下ろして人差し指を突きつけて言い切った。
森川君はショックを受けているようだ。いつの間にか安藤の袖を掴んでいる。
袖伸びるからやめて。
「じゃあ、私からな。これは実際にあった話だが……」
わざと声を低くして佐伯が語りだした。
いつもありがとうございます。




