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森川君観察日記  作者: 井上ぴこ
番外編
33/47

33.クリスマス?うちは仏教です(5)

週末が遅くなりすぎて次の週になってしまいました;

 カツ丼の余韻に十分浸った佐伯は「で、何だっけ?」と安藤に聞いてくれた。

 「だからさー先輩にバレたの。仏教徒じゃないくせに純粋な森川君を騙してって超怒られた」

 安藤は床に正座させられた話まで付け加えて佐伯に説明する。

 聞いている間佐伯はつまらなそうに髪の毛を指に絡めてその様子をぼんやり見ていた。大して興味がないときによくやる癖だ。

 人が正座までさせられて怒られた話に興味がないとは……。

 「純粋って、あいつが馬鹿なだけだろ。普通嘘だって気づくじゃん。それに仏教徒だってあながち間違ってねぇし。あーどいつもこいつも面倒臭いな!」

 キレた。

 「あいつも馬鹿だが、あいつに寄ってくる女も本当おかしいな!加藤もそうだし。あいつが馬鹿だから寄って来んのか!?類は友を呼ぶか!?」

 「こっちが聞きたいよ……」

 佐伯のキレ方、半端ない。

 安藤としてもそんなこと聞かれても知らない。知ったところで自分が巻き込まれるパターンは変わらない。

 この間自分もそう思ったことを思い返し遠い目になる。

 「しかもクリスマスに馬鹿と一緒に過ごすのかよー。あー馬鹿がうつるわー」

 「馬鹿はうつらないよ……」

 「精神的な問題だよ。もういっそ2人で過ごせばいいじゃん。その方が私的にも森川的にも良い」

 「!!」

 こいつ!人にカツ丼奢らせといてとんでもないこと言いやがった。

 「2人で過ごしたくないから言ってんじゃん。何聞いてんだよ!」

 思わず佐伯の胸ぐらを掴んで引き寄せた。無意識に手に力が入る。

 「ちょ、ギブギブ」

 「カツ2枚のせのカツ丼食っときながら逃げようなんて!貸し6つなら大体600円くらいのにしろよ。松じゃなくて竹にしとけよ!私だって2枚カツ食べたいよ!」

 「今更戻せないし……」

 「じゃあ大人しくクリスマス空けといて!もう佐伯は強制だからね!!」

 「えー」

 「えーじゃない!」

 胸ぐらを掴む力を更に強めると首がしまったのか佐伯は大人しく頷いた。

 頷いたのを確認して安藤は手を放した。これ以上掴んでいたら佐伯は落ちていたかもしれない。

 「うっ、ごほっ。カツ丼出そう」

 「人が金出したもん吐くなよ」

 「吐かないし!第一カツ丼吐くとか有り得ないだろ」

 安藤が笑顔で念押しすると佐伯は心外だと言わんばかりに否定した。



 「で、どこで何すんの?」

 「あー考えてない」

 どこに行くのがベストか?カラオケ?ファミレス??映画……はないな。どさくさに紛れて手を繋がれそう。

 普通なら胸キュン出来事も森川君とじゃときめかない。

 「ってかあいつ部活あるんじゃね?」

 「あぁ、そうかも」

 サッカー部はクリスマスも部活がありそうだ。

 顧問の先生が独身・彼女なしだからクリスマスはお前らの自由にはさせないとか言って部活を強制的に入れている可能性がある。

 そうだったらクリスマスは一緒に過ごさなくて良いから最高だ。

 「水石に聞いてみる」

 佐伯は早速携帯をいじりメールを送った。


 水石の返信は5分もしないうちに来た。

 「あいつ暇なのかよ?」

 早く返事を返しただけでこの答え。ちょっとひどい。佐伯だから仕方ないと言えば仕方ないが。

 「ああ、24日部活ないみたいだわ。顧問が合コン行くから気合入れてその日一日ないって」

 「!」

 衝撃で目を見開く。

 いやいやいやいや。おかしいでしょ!?何で合コンなんか行くんだよ!?ふざけんなよ!

 「顔からして無理なのに24日に合コンってどんだけがっついてんだよなぁ。引くわー」

 安藤の表情から言いたいことを理解したのか佐伯が同意するように言う。

 「まぁ、24日は諦めろ」

 項垂れた安藤に佐伯は慰めにもならない言葉をかけた。

 「元気出せってー。水石も呼んでやったから。武井は彼女がいるから無理だぞ。4人もいれば大丈夫だろ」

 武井君、彼女いるんだー。

 いつも笑顔で、でも腹黒ではないかと疑っている武井君に彼女がいたことは安藤にとって驚きだった。

 水石に彼女がいないことはうすうすわかっていたが。彼なら彼女がいたら自慢しそうだし。佐伯のせいでできないんじゃないか?

 「カラオケで良い?」

 「あ、うん。いいよ」

 水石とメールを続けていたらしくカラオケで話がまとまったようだ。

 佐伯は携帯をいじり、水石にメールを送る。

 「森川、歌下手だけど気にするなよ」

 携帯をいじりながらついでといった感じで佐伯は言った。

 「気にはしないけど……」

 森川君の容姿で歌が下手とか想像がつかない。アイドル張りの顔なのだから歌も踊りもできて当然なイメージである。頭の方は言わずもがなだが。

 「あの顔で歌が下手とか、残念ポイントは押さえてくるよな」

 頭以外も残念が多すぎて可哀想になってくる。




 とにかく安藤はクリスマスは佐伯を巻き込むことに成功した。


 あとは栞コレクションについて考えるだけだ。

 嫌だな…………。


いつもありがとうございます。



私生活で森川君よりたちの悪い人に絡まれてまして更新が遅れました。すみません。

今後も遅れると思いますが、待っててくださると幸いです。


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