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森川君観察日記  作者: 井上ぴこ
番外編
26/47

26.森川君の誕生日~交換日記~

今日の森川君はちょっと紳士です。17歳になったからでしょうか?


 〈森川君から安藤へ〉

 栞へ


 昨日は誕生日プレゼントありがとう。

 それと鼻血拭くのに使ってごめんなさい。

 洗ったらちゃんと部活で使うから!


 栞が俺の部活のこととか色々考えて買ってくれたって知ってる。

 本当はサンタの人形になりそうだったって佐伯が教えてくれた。

 まだクリスマス前なのにサンタの人形だったらちょっと凹んでたと思う。

 いや、でも栞がくれるなら何でも嬉しいから!!


 今回はデートとかできなかったけど、今度はデートもしたいな。

 来月はクリスマスあるけど、一緒に過ごせる・・・?



 「うっ」

 何だこれ!

 安藤は思わず胸を押さえた。


 ま と も な こ と が 書 い て あ る !  


 びっくりだ。

 驚いた。

 森川君に限ってこんなまともなことを書いてくるなんて。

 半月でここまで成長するとは思えない。

 誕生日だからか!?誕生日マジックか!?

 誕生日に聖なる力が働いてまともなことが書けたのかもしれない。



 森川君は顔は良い。某イケメンしか所属できない芸能事務所に入れるくらいだ。

 これで人のことを考えられて頭も良くなったらモテまくりだ。

 もう安藤なんかお呼びじゃない。


 「ふふふっ」

 誕生日マジックとはいえ森川君の成長ぶりに思わず笑みがこぼれる。

 これは私が付き合うのはあと少しでよさそうだ。

 この調子でいけば、森川君にぴったりの可愛い彼女が新しくできるのは時間の問題ね。


 「安藤、考えがダダ漏れのとこ悪いんだけど、これはあいつが文面考えてないから」

 「!!」

 安藤の横から水石が顔を覗かせた。

 どういうこと?じゃあ水石が考えたの?


 「いやね、あいつプレゼントもらえたのがすっげー嬉しくて家族に話したみたいなんだわ」

 「!」

 家族に話した!?

 「ちなみに日記をしてるのも知ってる」

 「!!」

 がくんと全身の力が抜けてその場に崩れ落ちた。


 家族にまで日記のこと言ってたの……?

 ということはおそらく中身も知っているはずだ。


 「はぁぁぁぁ~」

 盛大なため息が漏れる。

 「で、誕生日の日記くらいまともなことを書きなさいと家族に諭され、どうあがいても書けそうにない森川は妹に頼み込んで妹が文面を考えたっぽい」

 「デスヨネー」

 そうだよね。誕生日だからってまともなことが書けるはずがないよね。

 誕生日マジックあり得るかもとか思ったけど、よくよく考えたら森川君だもんね。あり得ない。

 17歳になったからってそんなに急に成長するわけがない。だって森川君だもん。


 「でも安藤のことを思ってだから怒らないでやってよ」

 「怒るも何もないよ……」

 これでは当分森川君に可愛い彼女ができるのは無理だと悟った。



 〈安藤から森川君へ〉

 誕生日プレゼント喜んでもらえてよかったです。

 部活であまりタオルと使わずに汗を拭くと聞いたのですが、タオルをちゃんと使って拭くこと。

 ユニフォームやジャージは汗や土埃が練習中についてしまうので汗を拭くのには不向きです。

 練習の合間(休憩時間)や練習後はタオルでしっかり汗を拭きましょう。風邪引いちゃうよ?

 もうすぐ12月です。冷え込みがさらに厳しくなるので体調管理に気を付けてね。


 クリスマスの前に期末テストがあります。

 浮かれるには早いです。

 テスト勉強をしっかりやって赤点が1つもないように頑張りましょう。




 「とりあえず、クリスマスのことはテストが終わってから考えよう」

 森川君を成長させるのにはまだまだ時間がかかるなと安藤は思った。



いつもありがとうございます。

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