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森川君観察日記  作者: 井上ぴこ
番外編
19/47

19.強敵?ライバル登場??

完結表示にしてさっそく番外編です。

というか、完結表示になっているのか不安です;

 「はぁ~信じられない。なんでこんなブスなの?」

 目の前の彼女は本当に嫌なものを見るような目つきで安藤を見てため息を吐く。

 「あの、どちら様ですか?」

 前の席の田中を無理やりどかし、いきなり座り込んだと思ったらまじまじと安藤の顔を見てこの発言。

 はっきり言って面識はない。見たことはあるのかもしれないが関わったことがないからわからない。

 目の前の彼女はかなり美人だ。美人でも性格は悪そうだ。いくら美人でもいきなり知らない人にブスと言われたら安藤だって傷つく。

 「何であんたみたいなブスに名乗らなきゃいけないのよ!」

 聞いただけなのに吠えられた。


 最近本当についてないな。

 厄払いに行った方がいいかなぁと安藤は目の前の状況から逃避した。


 「ちょっと聞いてるの、ブス!」

 「え、なに」

 現実逃避していたら目の前の彼女は不機嫌な顔で安藤を連れ戻してきた。

 「何であんたみたいなブスが隼ちゃんの彼女なの!?どんな弱み握って隼ちゃんを脅したの?」

 「隼ちゃん……?誰、それ?」

 「!あんた隼ちゃんの名前も知らないのに付き合ってるって言うわけ!?」

 何かが彼女の逆鱗に触れてしまったらしい。

 顔を真っ赤にして椅子から立ち上がり安藤を見下ろている。

 「もう!こんなブスが隼ちゃんと付き合ってるのも納得できないけど、隼ちゃんの名前も知らないくせに彼女なんて言えるの!?」

 「あの、だから隼ちゃんって……」

 「私、絶対認めないから!!あんたみたいなブス!」

 

 「朝からブスブスうっせーぞ、加藤!お前だって化粧してなきゃブスだろ!!」

 「あ、佐伯」

 この目の前の彼女が朝から教室で吠えているのが気に食わなかったのが、教室にやってきて早々佐伯は不機嫌だ。

 「佐伯!あんたちょっと派手顔で綺麗だからって調子乗って。あんたも気に食わないのよ!」

 「んだと!?てめぇ、自分の顔がブスで化粧もしねぇと外出歩けないからってひがんでんじゃねぇよ!恨むならその顔に産んだ親を恨め!」

 佐伯は目の前の彼女―えっと加藤さん?―に啖呵を切る。ヤンキーに見えるからやめた方がいいんじゃない?

 「何ですってぇ!本っ当隼ちゃんの周りにろくな女はいないのね!?隼ちゃん可哀想!」

 「一番碌でもねぇのてめぇだろうがっ!」

 「佐伯、落ち着いて」

 慌てて佐伯を宥めるが全然落ち着かない。頭に血が上りすぎているよ。

 「安藤も安藤でブスとか言われて黙ってんじゃねぇよ!お前の方が化粧したら綺麗になんだから。こんな化粧詐欺の女にブスって言われて大人しくしてんな!」

 えー。なんで私まで怒られるのー?

 もめごとを起こさないようにしていた(っていうかこの加藤さんが何が言いたいのかよくわからないから放っておいた)だけなのにとんだとばっちりだ。



 「佐伯も加藤もうるさいよ。栞が可哀想」

 睨み合う2人に割って入ったのは森川君だった。

 「隼ちゃん!」

 隼ちゃん?

 あー森川君って下の名前隼だった。忘れてた。

 加藤さんは森川君を見るとさっきまでの威嚇していた表情から一転、可愛らしい女の子の姿になった。

 うわぁ、女子って怖い。

 「隼ちゃん、本当にこんなブスでいいの!?この人隼ちゃんの名前も知らないのよ」

 あ、でもブスって言うんですね。もういいです。どうせブスですから。

 「お前の方が素顔もブスで性格もブスだろうがっ!」

 佐伯が吐き捨てる。佐伯はもう少し女の子らしくしようよ。いや、無理か。

 「うるさい、佐伯!隼ちゃん、こんなブスとどうして付き合うの?私じゃダメだったのに……」

 ああ、加藤さんってサッカー部のマネージャーの加藤さんかー。

 何だっけ?森川君と良い雰囲気だったけど彼女面してウザいから結局付き合わなかったっていう。

 「だって加藤、香水臭いしうるさいし、素顔ブスだから……」

 「っ!」

 その発言を聞いて思わず噴き出しそうになった。こらえた私を誰か褒めてほしい。

 森川君って本当に失礼。もう少しオブラートに包もうよ。

 多分オブラートに包んだら加藤さんはわからなくてアタック続けそうだけど。加藤さんにはこれくらいの方がいいのかもしれない。

 加藤さんは目を大きく見開いて呆然としている。

 「そんな……。隼ちゃん、このブスより私の方がブスだって言うの……?」

 論点、そこ?

 「栞はブスじゃないよ。地味なだけだよ。加藤は化粧してなきゃブスじゃん」

 森川君はまっすぐ加藤さんを見て言う。

 ブスと言われるのも地味と言われるのもどっちにしろ安藤には大差ない。

 加藤さんはみるみるうちに目に涙を浮かべた。

 そうだよね。好きな人にブスって言われたら傷つくよね。でも森川君を好きになった時点で覚悟すべきじゃない?空気が読めなくて残念な人なんだから。


 安藤はその様子を客観的に観察していた。


 「ひどい、隼ちゃん……。私、こんなブス絶対に認めないから!」

 最後に安藤に人差し指を突き出し捨て台詞を吐くと加藤さんは走って自分の教室に戻って行った。

 「だからお前の方がブスだって言ってんだろうがっ!!」

 その走り去る後ろ姿に佐伯が追い打ちをかけていた。




 その日は朝からひどく疲れた1日となった。




いつもありがとうございます。

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