第38話 よーいスタート
そして次の日。僕達リトライズと極炎の光星の面々はダンジョンの入り口前に集まった。
全員が集まっている事を確認すると、ロザリンは僕達に聞き、それに僕達は答えていく。
「準備はよろしくて?」
「いいですよー」
「おっけー」
「いつでもいいぜ」
「準備万端だ」
ダンジョンや変異種についての情報は事前に調べてある。
セーナペのダンジョンは罠は少ない上に危険度も低く、足場が不安定という事もないけれど、代わりに強めのモンスターが数多く継続的に沸いて出てくるのが特徴。パーティーの殲滅力がものを言うダンジョンだ。
今回の勝負、最初は強力な感知スキルを持った僕が居る分リトライズが有利かと思ったけど、このダンジョンだと感知スキルのアドバンテージはあまりないっぽい。
そして変異種の方は、戦いぶりを動画で見た感じだと、突進や長い鼻を振り回すといった単純な物理攻撃が主で、遠距離攻撃も岩とかを投げてくる程度で魔法攻撃とかは使っていなかった。速度は遅く、避けるのも防ぐのも苦ではなさそうだった。ただ問題は、とにかく頑丈だという事。幾多の攻撃を受けているのに体力が減っている様子が見られない。戦っている内に他のモンスターが沸いてきて、それの相手をしている内に疲弊してやられていくといった感じだった。他のモンスターが沸く前に倒しきる事が必須になるだろう。
下調べも十分。僕達の準備はバッチリだ。
そんな僕達を見て、リドルとルドリはロザリンをからかう様に言う。
「でもお嬢の方は大丈夫なんですか?昨日けっこう夜更かししてたでしょう?」
「そうそう。お嬢ってば楽しみにしてる事があるとすーぐ眠れなくなっちゃうんですから」
「もぅ!そういう事は言わなくていいの!」
からかう感じの2人にロザリンは頬を膨らませた。相変わらずゆるい主従関係だ。
ロザリンは仕切り直す様にコホンと軽い咳をし、確認のために僕達に聞いてくる。
「今回はわたくし達極炎の光星とリトライズのどちらが先にベヒモスメタルゴーレム42を倒すかの競争。先に変異種の元にたどり着いて倒した方が勝ちですわ。戦闘中でしたら助けが必要でない限り手は出さない。もし他のパーティーに討伐の先を越される様でしたら、予定を変更して一緒にダンジョンを巡りましょ」
ロザリンの問いに僕達は頷いたり「はーい」と答えたりで同意の意思表示。最終確認も終えた所で、リトライズと極炎の光星の面々はダンジョンへと入っていった。
ダンジョンに入り、少しだけ先を進み、分かれ道の所まで行った所で僕達は配信を始めた。
配信用魔道具を起動させ、僕達はポーズを決めながら揃って挨拶を始める。
「こんにちはーリトライズでーす」
「極炎の光星ですわ」
僕とロザリンの言葉に続き、それぞれ喋っていく。
「今回はどちらが先に討伐対象を倒すかの勝負」
「討伐対象はベヒモスメタルゴーレム42。討伐されずに生き残っている強力な変異種だ」
「さてさてー、どっちが先に目標にたどり着いて倒す事ができるかなー?」
「これから二手に分かれて向かうから、ぜひ2画面で楽しんでねー」
「それじゃあ。よーい」
その合図に合わせ、皆は声を合わせる。
「「「「「「「「スタート!」」」」」」」」
掛け声と共に僕達は二手に分かれ、ダンジョンの中層へ向かい走り出した。




