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神様リスナーと転生者  作者: キャズ


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第31話 罠置きながら逃げてるー!

 そうこうしていると、目標を見つけた様でニルスンは反応する。


「居ました。前に20、右に14」


 変異種の居場所を伝えるニルスン。

 僕は変異種とは如何なるものか気になり、「どれどれ」と自分も感知スキルを発動させて確かめてみた。


「うへぇ、なんかキモいな」


 感知スキルで言われていた所を探ってみると、そこに居たのは正に異形といった感じのモンスター。形は逆関節の足を持つ人間の様で、体の至る所から触手が伸びて絡まっていて、まるで触手が集まって一つの生物になったみたい。絡まる触手の間からはいくつもの目の様なものがグジュグジュとうごめいていて、集合体恐怖症が発狂しそうなデザインだ。

 今まで色んなモンスターを見てきたけれど、変異種はなんというか世界観が違うという感じ。凄い異物感を感じる存在だった。

 その変異種を感知スキルで眺めていると、変異種の足元にある変化が起きた。


「む?変異種の足元になんか罠出てきたよ」


「変異種の足元にか?」


 ディクスは「うーん」と少し考え、続ける。


「ダンジョンが変異するにしては近すぎる。となれば、変異種が生み出したと考えるのが妥当か。可奈芽さん、その罠はどんな罠か分かりますか?」


「ちょっと待ってねー。むむむー」


 僕は意識を集中させ、その罠の詳細を探った。


「分かった。あれ、ワープ罠だよ」


 それを聞いたディクスはブツブツと独り言を呟いていく


「じゃあ、報告にあった飛ばされたというのは、生成されたワープ罠を食らってしまったという事か?いや、決めつけるのは良くない。他に別の場所に飛ばす能力を持っている可能性も・・・」


 ディクスは独り言を言いながら考えをまとめると、皆に指示を出す。


「今回の変異種、罠を生成する能力があると仮定し対処する。変異種の行動を見逃さない様、可奈芽さんは変異種の行動を注視、ニルスンは周囲の状況の把握に専念、2人態勢で対処する」


 ディクスの指示にニルスンと僕は「了解」「オッケー」と各々答えた。


「罠の設置以外にも特殊な能力を持っているかもしれない。特殊能力が一つだけとは考えず、他にも何かしてくるかもしれないと考え行動する事。変異種はどんな能力を持っているのかもどんな行動を持っているのかも未知数だ。出来るなら相手になにもさせないで倒したい。まずは俺が初撃で必殺を試みるから、もし倒せなかった場合、ミルカとリディルカの遠距離攻撃。出来る限り隙を与えない様に波状攻撃を行う。これで倒せない様であれば、変異種の能力に合わせて別の策を考える事とする。繰り返すが、変異種は何をしてくるか分からない。臨機応変な対応が必要不可欠になるのを心がけて欲しい」


 ディクスの指示に他の皆も「了解」「おう」「はい」「うむ」と各々答えた。

 変異種のへの対応も決まり、僕達は討伐目標である変異種の元へと向かい歩いていく。


 洞窟の中の少し入り組んだ所、変異種はそこに居た。

 今まさに罠を設置している最中なのか、変異種は魔法を発動させた時特有の光を地面に叩きつけ、自身の足元に罠を発生させている。そんな変異種と僕達は接敵し、目が合った。

 ディクスは事前に言った通り、一番槍をかますべく変異種へ駆けていく。そして僕達は変異種が何をしてくるのかと身構えていたが。やはりというかなんというか、変異種の行動は僕が予想していなかったものだった。

 変異種は僕達を見るや、背を向け、脱兎のごとく逃走した。

 その行動に僕は面食らった。今まで出会ったモンスターは、どれだけ実力差があろうともこちらを襲って来るものばかりだったからだ。だから何をしでかすか分からないと言っても逃走は自分の予測の外になっていた。


「に、逃げたぁ!?」


「追うぞ!」


 僕とシシルーは行動がワンテンポ遅れたものの、他の面々は実力者揃いという事もあって一切動じる様子は無い。即座に走り出し、逃げた変異種を追う。

 逃げる変異種のスピードは走ったらなんとか追える程度、シシルーの強化があるお陰で僕でも追い付けている。しかし変異種を追うには一つ問題があった。


「あー!あいつ罠置きながら逃げてるー!」


 追撃する僕達を振り払うためだろう、変異種は逃げながらも魔法的なものを地面に向けて放ち、罠を設置している。ちらほらとダンジョンが生成した既存の罠もあり、所々の罠に細心の注意を払う必要があった。

 探索者に討伐されていない厄介な変異種とは聞いていたが、道理で討伐出来ない訳だ。この様に逃げられたんじゃあ、僕みたいに高度な感知スキルが無いと追う事すらままならないだろう。

 事前にディクスに言われた通り、僕は変異種の行動を逐一報告、ニルスンは周囲の情報を逐一報告しながら追いかけていく。

 罠を避けながら追いかけていく中、ニルスンが告げる。


「この先行き止まりになっています。追い詰めましょう」


 僕達は罠を避けつつも変異種を追いかけ、ニルスンが言っていた行き止まりまで追い込んだ。

 洞窟内にある少し広めのエリア、出入り口は僕達が来た道一つだけで、出入口に立ちふさがる事で変異種の逃げ場を奪う。

 場は整った。改めてディクスは変異種へと駆け、


「食らいな!」


 大気を吹き飛ばす轟音と共にディクスの<スパイラルランス>が放たれた。が、その一突きが変異種を貫く事はなかった。変異種は体を捻らせながら飛び跳ね、その攻撃をギリギリで避けたのだ。


「任せろ」

「任せて」


 事前の打ち合わせ通り、ミルカとリディルカは追撃の魔法攻撃を放つ。回避能力が高い事が分かったからか、大量の電撃の矢と風の刃での弾幕。ダダダダダと豪雨の様な音がこの空間に響いた。連射された大量の魔法によって周囲には砂煙が舞う。


「やったか?」


「まだだよ!」


 僕はニーリェの言葉をすかさず否定した。感知スキルがあるから僕は変異種が健在なのが分かるのだ。

 砂煙が晴れ、変異種の姿が露わになると一同は驚愕した。


「こいつ・・・」


「平然としてやがる」


「効いていない?」


 皆はノーダメージな様子の変異種に驚愕。

 驚いている皆に僕は残念な事実を告げる。


「なんか、凄い勢いで回復してるっぽい。ダメージは受けてるけど、すぐに全部回復しちゃってる感じ」


 それを聞いたディクスはすぐさま次なる策を導き出す。


「ベドゥイ、カルス、波状攻撃で隙を作ってくれ。もう一度<スパイラルランス>を試してみる。ミルカとリディルカさんは今度は高火力の魔法の準備。他は変異種が逃げ出さない様にその場で待機」


 ディクスの声に「了解」「うむ」「分かった」と返し、皆が陣形を変えようとしたその時だ。


「なんかやってきそう!気を付けて!」


 僕は叫んだ。感知スキルをもってしても何をやろうとしているのかは分からない。けれど、マナの流れから何かをやろうとしているのは分かる。この追い詰められた状況で繰り出そうとしているのだ、何かろくでもない事をしようとしているに決まっている。

 だけど、その注意喚起は既に遅かった。次の瞬間、変異種の体は眩く光輝き、その光はフロア全体へと広がっていき、僕達は光に飲み込まれてしまった。

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