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神様リスナーと転生者  作者: キャズ


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第19話 ロザリン救出ミッション成功

 ロザリンとリディルカのわだかまりは解けた。

 プライベートな話も済んだので、僕達は配信魔道具の前でポーズを決め、配信を再開させた。


「配信を再開しましたリトライズでーす。今回は急遽予定を変更。これから帰り始めてダンジョンから帰るまでだけど、こちらの極炎の光星の皆さんとコラボしようと思いまーす」


 ロザリン達も結構ノリが良い。僕が紹介する様にロザリン達に手をかざすと、皆で軽快にポーズを決めてくれた。

 そしてポーズを決めたままロザリンは告げる


「さて、ここまではリトライズの活躍を見て頂いたのですから、ここからはわたくし達、極炎の光星の活躍をお見せしますわ」


 ロザリンの言葉に合わせて、ダッドとリドルとルドリが「任せとけ」「さてやったりますか」「見ててくださいリトライズの皆さん」と掛け声を発していく。


「ふむ。ではお手並み拝見といこうか」


 ここからはロザリン達がガッツを見せるとの事で、極炎の光星が前を進み、僕達リトライズが後ろについて進んでいく。


 少し歩いていくと、ゴーレムが前に立ちふさがった。

 ダッドはゴーレムと組み合いその動きを止める。動きを止めている間、ロザリンは溜め動作に入り魔法を撃つ準備をする。そして準備が終わるとロザリンはダッドに言い放つ。


「離れて!」


 ダッドは「あいよ」とすぐさまバックステップでゴーレムから離れた。するとゴーレムの足元から火柱が上がり、ゴーレムを火炎で包んだ。

 ゴーレムはあっという間に焼け焦げ、その場に倒れて消えていった。石でできたゴーレムは火属性が効きにくいはずなのだけど、ロザリンはそれを感じさせない圧倒的な火力で焼ききってしまった。


(ほぇー、すっごい火力。確か石でできてるゴーレムって火属性が効きにくいんだよね?)


(おう、そうだ。石のゴーレムは火属性に耐性がある。だがロザリンはその耐性をものともせず、超える火力で焼き尽くすのさ。それが極炎の光星の戦い方なんだ。かっけぇよなぁ。火属性耐性持ちを問答無用で炎で倒す超火力!)


 普段から極炎の光星の配信を見ているからなのか、火の神がロザリンの魔法にテンションを上げている。


(火属性に耐性があればそれ以上の火力で焼けばいいって、なんだか魔導士なのに脳筋って感じなんだねぇ)


 次に電撃を帯びたフード姿の幽霊の様なモンスターが現れた。

 ロザリンはすぐに指示を出す。


「ルドリはダッドにエンチャント。リドルは魔法攻撃に備えて障壁を」


 指示を受けた双子の片方は「了解」と返事をし、ダッドに魔法をかけて非物質系のモンスターに攻撃が当たる様にし、もう片方も「はい」と返事をし、正面にバリアを張って遠距離攻撃に備える。

 ダッドは連撃でモンスターを怯ませ、その隙にロザリンが魔法を当てて難なく処理した。


 今度はモンスターではなく宝が見つかった。魔石が埋め込まれたガントレットの形をしている。


「見てくださいまし、お宝発見ですわ!」


 宝を見つけてピョンピョン飛び跳ねて喜ぶロザリン。

 そんなロザリンに僕は残念な真実を告げる。


「あー、あれモンスターが化けてるやつだね」


 それを聞いたロザリンは虚無顔になり、無言で化けているモンスターを焼き払った。


(リーダーらしくテキパキ指揮を執っていたかと思うと、子供みたいにはしゃいだりふてくされたり、なんだか忙しい人だね、ロザリンって。2面性があるというかなんというか)


(戦闘時と非戦闘時のオンオフがハッキリしてるんだろうな。俺はそういう所も面白くって好きだぜ)


(まぁ見てて退屈はしないよね)


 ダンジョン内を歩きながらロザリンは僕達に問う。


「リトライズの皆さんは今後どんな活動をしていく予定ですの?」


 ニーリェが答える。


「しばらくは余裕のある所を回って、ダンジョンに慣れていこうって考えてるよ。うちの可奈芽ちゃんが探索者になったばかりだって話だからな」


 続いてリディルカとシシルーが言う。


「まぁ、案外もう慣らしは必要ないかもしれんがな」


「うんうん。可奈芽さん飲み込みが早いですもんね」


 二人のお褒めの言葉に僕は誇らしげな表情。


「ふっふーん。まかせといてよー」


 そんな4人の様子を見て、ダッドは微笑みながら言う。


「今後に乞うご期待って感じっスね」


 ロザリンは片手で胸にポンと手を当て、今度は自分の今後についてを語る。


「わたくしは前に申し上げた通り、上位ボスを倒してAランクパーティーになるつもりですの。そして必ず、一流の探索者として名を馳せてみせますわ。だからリディルカも」


 ロザリンは期待の眼差しをリディルカに向ける。

 そしてリディルカはそれに応える様に頷き、短い言葉を紡ぐ。


「うむ。すぐに追い越すよ」


 聞きたい言葉を聞けたのか、リディルカは満面の笑みを浮かべた。


「それでこそ、わたくしのライバルですわ」


 そうこうしながら僕達は4階層から3階層へ、その後は順調に戻っていき、あっという間にダンジョンの入り口へと戻っていった。

 これにてロザリン救出ミッションは見事成功。当初の予定とは違うけれど、目標以上の4階層の探索まで進める事ができた。

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