表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様リスナーと転生者  作者: キャズ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/29

第17話 ロザリン救出

 スラーク遺跡のダンジョン4階層。

 罠の凶悪さはそのままだけど、出現するモンスターが強くなっている。石のゴーレム、鎧姿のトカゲ人間、双頭の蛇、異形感を感じる巨大虫等々、3階層よりも強敵感が強い。

 強力なモンスターが跋扈し、強力な罠が散りばめられているダンジョンの中を僕達は進んでいく。


「ここを進むと右から毒矢が飛んでくるよ」


 僕が先に毒矢の罠がある事を伝えると、ニーリェは「おう!」と応え、盾を構えて毒矢を防ぎ、先に進む。


「ここから先魔法の発動に誘発する罠があるから注意ね」


 僕が魔法を使うと発動する罠がある事を伝えると、皆は「了解」と反応し魔法の使用を控えながら歩きぬく。


「この先壊せる罠があるからやっちゃって!」


 僕が罠の破壊を求めると、リディルカは「任せろ」と言い、魔法を放って罠を破壊して突破する。

 僕の感知スキルを活用して、罠を対処し進んでいく。

 罠の脅威を感じさせる事なく進んでいく僕達にダッドは感心の言葉を放つ。


「凄いっスね、可奈芽さん。進みながらでもその精度の<サーチ>が出来るって。俺は高精度にするには止まって集中しないと出来ねぇっスよ」


「いやぁ、それほどでもー」


 ダッドの誉め言葉に僕はつい顔が緩む。

 薄々気付いてはいたけれど、僕の感知スキルは一般的なそれよりも早くて高精度の様だ。前に他のパーティーの配信を見て気付いた事だけど、周囲を感知して進むを繰り返すという少し進んで止まる感じの進行が多かった。進みながらの周囲を感知し続けれるのは割と希少らしい。


 さらにダンジョンを進んでいくと、またもや魔法に誘発する罠の地帯に突入する事になった。しかもその道中にゴーレムが1体。本来なら通るのを止めて回り道をする所だけど、なるべく早く行った方が良いという事で、リスクを取ってでも進む事にした。

 前衛のニーリェはゴーレムとかち合う。

 石造りの強力なパンチがニーリェに向かうが、ニーリェは盾で受け止める。力負けはしていない。否、ゴーレムに力で勝っている様に見える。


「ふん。この程度なら、余裕だな」


 ニーリェは斧で攻撃し、ゴーレムの体を崩していく。これなら倒すのも時間の問題だろう。

 だが、そんな時。僕達の背後から大量の虫型モンスターの反応。僕達を追う様にこちらに向かってきている。


「後ろからいっぱい虫きてるー!」


 ニーリェはゴーレムの相手をしていて手を離せない。


「ここは俺がなんとかするっス」


 とダッドが言い、前に出る。


「僕もやるよ」


 僕もダッドの隣で剣を構えた。

 背後から現れたのは甲虫の姿をしたモンスター。猫くらいの大きさがある虫が羽を広げて宙を飛び、鋭い口を開き襲い掛かって来た。

 ダッドは舞の様な身のこなしで飛び掛かってくるモンスターに打撃を与え、僕はダッドが取りこぼしたモンスターに「えい!」「やぁ!」と剣で切りつけていく。この虫型のモンスターは早いけど脆い。僕やダッドの攻撃でも十分に倒しきれる。

 なんとか処理しきれそうと思ったその時、一匹の甲虫モンスターが僕の顔面目掛けて飛んできた。どうやら僕が止めを刺し損ねてしまい、瀕死のモンスターが飛んできた様だ。このままでは僕の顔に噛み傷がついてしまう。


「危ない!」


 ダッドのその声と共に僕とモンスターの間に腕を入れ、モンスターに腕を噛ませる。そしてそのモンスターに手刀を食らわせて止めを刺した。


「大丈夫ですか?可奈芽さん」


「うん。ありがとうダッドさん」


 ニーリェもゴーレムを倒した様だ。僕達は先へ進み魔法誘発罠から抜け出ると、双子の片方がダッドの回復をして奥へ進んでいく。


 そして、とうとう目標が見つかった。


「んー?なんかいっぱいモンスターが・・・あ!ロザリンがモンスターに囲まれてる!」


 ロザリンの現状に、皆「なんと!」「召喚罠にでも引っかかったか」「マズイな」と各々驚きの言葉を放つ。

 僕はロザリンの居る所を指差した。


「ロザリンさんは向こうに居るよ。途中にも罠が無いから早く行こう」


 僕達は走り、ロザリンの元に向かう。

 到着すると、そこには多種多様な大量のモンスター。まるで満員電車かの如く群れていて、それによって壁が形成されている。

 ロザリンが戦闘中なのか、モンスターの壁の向こうからボーンボーンと爆発音が聞こえている。

 状況を見たニーリェは提案する。


「先ずリディルカが魔法を撃ってくれ。その後オレのスキルでこの群れを突破する。皆はその後からついてきてくれ」


 皆は頷いた。

 さっそくリディルカは初撃として複数の雷の槍を放つ。着弾してバチンバチンと炸裂音を鳴らし、リディルカの魔法は複数のモンスターにダメージを与えた。

 それを見てニーリェは盾を構えて言い放つ。


「ぶちかますぜ!<シールドタックル>!」


 その声と共にニーリェはモンスターの壁と衝突。群れていたモンスターはボーリングのピンの様に跳ね飛ばされ、道は開かれた。そして僕達は後に続き、ニーリェの元へとたどり着いた。

 突如モンスターの群れを突破して現れた僕達を見て、ロザリンは目をパチクリさせている。

 そんな驚いているロザリンにリディルカは言葉を投げかける。


「待たせたな。ロザリン」


「リディルカ。なんでここに・・・」


 と少しだけ呆けていたロザリンだったが、すぐさまキリっとした表情に変わった。


「ダッドは後衛の護衛。リドルとルドリは回復と障壁での防御を。メインの壁役、全員の強化、周囲の把握はお任せしてもよろしいかしら?リディルカ」


 ロザリンは自分のパーティーメンバーのやる事と僕達に頼みたい事を簡潔に伝えた。リディルカは即座にそれに応じる。


「よかろう」


 僕達は陣形を組み、モンスターの群れに立ち向かう。

 ニーリェは最前線に立ち、モンスターのヘイトを集めた。大量のモンスターに囲まれ袋叩きにされるが、ニーリェに大したダメージは無い。シシルーによって強化されている上、多少傷ついても双子の片方が即座に回復魔法をかけているのだ。

 ダッドはニーリェに向かわなかったモンスターに攻撃を仕掛け、後衛の方にモンスターが行かない様にしている。

 双子のもう片方が僕達の周囲に魔法で障壁を出し、対処し損ねたモンスターや遠距離攻撃から僕達を守ってくれている。

 シシルーは強化魔法をかけ直して全員の強化。

 僕は感知スキルで問題があったら即座に対応できる様に周囲の状況を把握。

 リディルカとロザリンはメインの火力として魔法を乱れ撃つ。リディルカは手を変え品を変え多種多様な魔法を放ち、ロザリンは火属性の魔法を連射。

 見る見る内にモンスターの数が減っていった。

 リディルカは相手の弱点に合わせた魔法を撃つ事で確実に倒し、ロザリンは魔道具の補助がないからか火属性魔法だけだけど、強力な火属性魔法で着実にダメージを与えてく。


 ここまでの陣形が作れればもう突破はされない。後はもう作業ゲー。丁寧に処理していくだけだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ