顔で人生が決まる国
鏡に映る自分の顔は、まるで罪を犯したかのような暗い影を落としていた。
「また、イケメン税が上がっちまった…」
私はため息をついた。この国では、容姿が運命を左右する。イケメンであればあるほど、税金が高くなるのだ。
私は、世の中で「標準的なイケメン」とされているタイプだ。
だから、毎月、容赦ない税金に苦しめられている。
イケメン税は、社会福祉や教育に充てられるという触れ込みだが、実際には、ブサイクの人々が享受する様々な特典を賄うために使われているように思えた。
ブサイクは「ブサイク控除」によって税金が軽減され、公共交通機関の無料利用や、レストランでの割引など、様々な優遇措置を受ける。
「ブサイクは可愛い」なんて、どこかのテレビ番組で言っていたのを覚えている。
そんな時代になったのか。
私は、街を歩くブサイクの人々を眺める。彼らは堂々と、時に誇らしげに歩いている。
彼らの顔は、まるで「社会的に優遇されている」という証のように輝いている。
一方、私は、常に周囲の視線を感じ、 窮屈な日々を送らなければならない。
イケメンであることは、もはや呪いのように感じられる。
「イケメン税」は、社会の歪みを露呈している。
容姿で人の価値を判断するこの国に、私は疑問を感じずにはいられない。
「本当に、これで良いのだろうか?」
私は、静かに呟いた。
鏡に映る自分の顔は、まるで答えを知っているかのように、悲しげに微笑んでいた。




